再生医療製品や治療薬の開発,サルコペニアの予防,代謝との関連まで,幅広く貢献する間葉系幹細胞の可能性を満載!
内容紹介
●間葉系幹細胞は骨髄,筋,皮膚,脂肪,臍帯組織,歯髄や歯周組織,子宮内膜,前立腺,骨髄前駆細胞,卵巣,造血系などさまざまな体組織で存在が確認されており,生体における大きな臓器ともいえる.
●間葉系幹細胞は,免疫調節機能を有し,炎症性腸疾患および移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)の治療薬として開発が進んでいる.また,神経系障害への回復を薬効とした間葉系幹細胞を主成分とする再生医療製品も開発された.
●さらに,間葉系幹細胞での長寿遺伝子の活性化は,サルコペニアなどの骨格筋での筋力低下や筋肉量の低下を予防するほか,間葉系幹細胞と代謝との関与が注目され,肥満から糖尿病に至る段階として“インスリン抵抗性”の状態があり,間葉系幹細胞をターゲットとした治療を行うこともできる.
●間葉系幹細胞に関わる医療は代謝から再生医療まで貢献する可能性があり,日常生活の質の向上はもちろん,保健・医療・経済の観点からもその価値は高い.本書では,基礎から臨床応用に至るまで,間葉系幹細胞の生物学および医学の最前線を広く解説している.