やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

次号予告

268巻13号(2019年3月30日発行)

第5土曜特集

制御性T細胞研究の現在

企画:坂口志文(大阪大学免疫学フロンティア研究センター実験免疫学)
 堀 昌平(東京大学大学院薬学系研究科免疫・微生物学教室)

・制御性T細胞(Treg)は,1980〜1990年代にかけて,免疫自己寛容の導入・維持に必須のリンパ球として研究がはじまった.本特集では,Tregの基礎研究から臨床応用まで広く研究の現状を紹介する.
・近年,Tregの発生・分化,機能の分子的基礎,転写因子とのネットワークなどが明らかになりつつある.また,単なる免疫抑制だけでなく,組織の恒常性・再生にも重要な役割を担っている可能性も示されてきた.
・Tregの強化による自己免疫疾患の治療・予防,逆にTregの減弱によるがん免疫の惹起・強化なども期待されており,研究が進められている.本特集ではこれらの最新の知見についても解説いただく.

【目次】
■基礎
【分化】
Treg分化におけるエピゲノムの役割
制御性T細胞の系列安定性
胸腺における制御性T細胞分化
組織特異的制御性T細胞
樹状細胞によるTreg分化の制御
SATB1によるT細胞分化と免疫寛容の制御
Nr4aファミリー転写因子によるTreg制御
カルシウムシグナルによる制御性T細胞の分化と機能の制御
母体由来短鎖脂肪酸によるTreg分化の制御
【機能】
Treg分化と機能におけるTCRシグナルの役割
Tregによる免疫抑制メカニズム
エフェクター制御性T細胞分化・維持の分子基盤
濾胞性制御性T細胞
転写因子Id2, Id3による制御性T細胞の制御とTH2型炎症
自己免疫寛容におけるFoxP3陽性TregとPD-1
【組織免疫】
腸内細菌由来代謝産物によるTreg制御
食品成分による自然免疫受容体を介した腸管Tregの制御
制御性T細胞の恒常性維持におけるアミノ酸の役割
粘膜上皮細胞死による制御性T細胞数の制御
DNAメチル化機構による腸管Tregの機能制御
腸管組織の恒常性維持に必要な制御性T細胞の抗原レセプターの多様性−Tregレパトワによる腸管恒常性維持
皮膚制御性T細胞の役割
皮膚の樹状細胞と制御性T細胞のクロストークによる免疫制御
代謝制御による腫瘍内Tregの制御は可能か
制御性T細胞による骨髄環境制御
健常時から末梢組織炎症時における制御性T細胞の生体内動態と関連した多様性・機能変化
【Tregの多様性】
LAG3陽性制御性T細胞による免疫制御機構
腸管上皮CD4CD8ααT細胞における腸管恒常性制御
慢性感染症におけるIL-27産生性制御性T細胞
■臨床
【自己免疫】
ゲノムワイド関連解析と制御性T細胞
関節リウマチにおける制御性T細胞
IPEX症候群
多発性硬化症と制御性T細胞
天疱瘡抗原デスモグレイン3に対する自己免疫応答と制御性T細胞の役割
シェーグレン症候群の病態機序と制御性T細胞
【さまざまな疾患・病態】
がん免疫における制御性T細胞の役割
アレルギーと制御性T細胞
妊娠における制御性T細胞の役割
制御性T細胞による動脈硬化の予防
制御性Tリンパ球とHTLV-1感染症