やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

次号予告

293巻5号 (2025年5月3日発行)

第1土曜特集

成人先天性心疾患―各国のガイドラインに学ぶ

企画:石津智子(筑波大学医学医療系循環器内科)

・今後20年のうちに,50代までの人口の約1%が先天性心疾患を抱える時代が来ると予測されている.先天性心疾患の多くは完治が難しく,生涯にわたる医療的サポートが必要となる.
・しかし日本では“フォローアップからの脱落”などが大きな問題となっており,専門医と循環器内科医,さらには一般内科医やかかりつけ医が連携して患者を支える体制の構築が求められる.
・本特集では,循環器内科医だけでなく一般内科医やかかりつけ医の先生方が先天性心疾患の診療により深く関わっていただけるよう,基礎的な知識から最新の診断や治療法まで,2025年日本循環器学会ガイドライン作成メンバーを中心としたエキスパートたちがわかりやすく解説する.

【AYUMI】
はじめに

■軽症(単純)先天性心疾患の診断・治療
心房中隔欠損(ASD),卵円孔開存(PFO)の診断と治療
心室中隔欠損症成人例の経過観察で注意すべきポイント
ガイドラインに学ぶ成人期動脈管開存の診断・治療・管理

■中等症先天性心疾患の診断・治療
ファロー四徴
エブスタイン病
房室中隔欠損症
先天性冠動脈異常
マルファン症候群
大動脈縮窄

■重症(複雑)先天性心疾患の診断・治療
修正大血管転位症―成人期における治療と管理
完全大血管転位(動脈スイッチ術後)
フォンタン循環:フォンタン手術後に確立される循環動態
フォンタン関連肝疾患

■成人先天性心疾患特有の諸問題
心不全治療
不整脈治療
ACHDに合併する肺高血圧症の診断と治療
成人先天性心疾患の主な外科治療と先天性心疾患における心臓移植
女性特有の配慮事項―月経,避妊,妊娠・分娩
先天性心疾患を合併する染色体異常
社会的問題・成人移行支援に関する改訂事項と臨床実践のポイント