やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

次号予告

294巻2号 (2025年7月12日発行)

健康と医療を革新する数理工学―数学を医学に活かす!

企画:合原一幸(東京大学 特別教授/名誉教授)

・「数理工学」は,太平洋戦争後の混乱のなかで創発した,わが国独自の応用数学分野である.
・数理工学は目立ちにくい反面,さまざまなシステムの解析や最適化,制御,予測などに本質的に重要な役割を果たしていることから,実世界の諸現象の理解や,諸問題の解決を目指すうえで世の中の関心が高まりつつある.
・本特集では,健康や医療に関連するさまざまな問題を対象に,数理工学的アプローチが切り拓く地平を展望するとともに,具体的な活用例を紹介することで,その現状と将来を概観することを目的としている.

【AYUMI】
はじめに
非線形ダイナミクスのデータ駆動モデリング
動的ネットワークバイオマーカーによる未病状態検出手法の概説
数理科学に基づく臨床試験デザインの最適化
リザバー計算を用いた健康・医療データのパターン認識
未病研究と数理工学
人流データ分析と,介入を考慮した感染症数理モデル
情報統合により構築された疾患の数理モデルの紹介
エッジAIを実現する超低消費電力アナログインメモリ計算機

【TOPICS】
細胞生物学
生きた細胞内での小胞動態の可視化による2種類の小胞融合様式の発見
脳神経外科学
放射線壊死:診断と治療の最前線

【連載】
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望―臨床への展開(24)(最終回)
iPS細胞由来の再生心筋細胞移植による重症心不全治療法の開発
ケースから学ぶ臨床倫理推論(15)
人工透析の中止
イチから学び直す医療統計(7)
推定:信頼区間とは

【FORUM】
司法精神医学への招待―精神医学と法律の接点(10)
成年後見制度における精神鑑定の実際と意義