次号予告
295巻8号 (2025年11月22日発行)
造血幹細胞研究の革新と臨床応用への挑戦
企画:山ア 聡(東京大学医科学研究所幹細胞治療研究センター幹細胞治療研究分野)
・造血幹細胞研究は単なる細胞補充源としての理解を超え,新たなパラダイムシフトの渦中にある.微小環境との複雑な相互作用,エピジェネティックな制御,加齢に伴う機能変化,そして疾患発症における異常性など,より深遠なメカニズムの解明が急務とされてる.
・本特集は,造血幹細胞の発生・分化の制御機構といった基礎的テーマから,in vitroにおける造血幹細胞の作製技術や,疾患特異的なクローナル造血の病態といった臨床応用を見据えたトピックまでを網羅的に取りあげ,各筆者が長年の研究を通じて確立してきた“本質的な問い”とそれに向けた“独自の視点”を深く掘り下げる.
【AYUMI】
はじめに
造血幹細胞の多様性と階層性
造血幹細胞増幅がもたらす臨床応用と基礎研究の発展
胎生期の造血幹細胞
造血研究を支えるヒト化マウスの開発
造血幹細胞と多臓器連関
造血発生機構を模倣してヒト多能性幹細胞を血液細胞へと分化誘導する
白血病幹細胞研究の展望
骨髄環境の重要性―造血維持機構と血液腫瘍病態への関わり
【TOPICS】
病理学
アルポート症候群モデルマウスを用いた腎病理AI解析:マルチモーダルAI病理診断の新展開
膠原病・リウマチ学
膠原病に伴う間質性肺疾患の気管支肺胞洗浄液を用いたシングルセルRNA解析
【連載】
イチから学び直す医療統計(20)
多変量メタアナリシス
医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用(10)
分散連合学習可能なデータ流通基盤およびオミクス解析に基づく病態解明と疾患予測モデル構築
医師の働き方改革―取り組みの現状と課題(9)
病院全体で推進するタスクシフト・タスクシェア
医療における生成AIとDX(1)
総論:医学研究への生成AI活用の現状と未来
【FORUM】
人間社会の未来―専門家が予見する人類の行方(5)
情報技術が変える医療と人間のかたち──治療から予防,そして進化へ

