やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

次号予告

275巻1号 (2020年10月3日発行)

第1土曜特集

免疫リプログラミングと細胞デザイン

企画:吉村昭彦(慶應義塾大学医学部微生物学免疫学教室)

・免疫細胞は基本的に血液中を循環する細胞であり,標的に集積させたり,逐次補充することが可能である.免疫分野でもリプログラミングという言葉は最近よく使われるようになり,重要な研究要素となっている.
・免疫老化はさまざまな免疫細胞に現れるが,最もよく研究されているのはメモリーT細胞で,この存在比率や異常がヒトの寿命に大きく影響する.腫瘍免疫や感染免疫では“老化”に近い“疲弊”という現象が知られている.
・このような免疫老化やT細胞疲弊を解除する方法が見つかれば,がん治療のみならず健康寿命の延長におおいに貢献できるであろう.“免疫リプログラミング”や“細胞デザイン”はまさに今求められている研究テーマといえる.

■CAR-T細胞のリプログラミング
CAR-T細胞の遺伝子改変
CAR-Treg(キメラ抗原受容体制御性T細胞)移入療法
CAR-T細胞療法における幹細胞性と疲弊
新たなCAR-T細胞療法の標的
グリピカン-3を標的としたTCR-T細胞とCAR-T細胞−どちらが有望か?
■免疫代謝リプログラミング
PD-1と免疫代謝リプログラミング
腫瘍微小環境の代謝制御による腫瘍免疫の向上
マクロファージの代謝リプログラミング
代謝で免疫を制御する−脂肪酸代謝による記憶T細胞への運命決定
■再生医療の応用による免疫リプログラミング
iPS細胞を用いたT細胞リプログラミング
iPS細胞を用いたNKT細胞再生と治療
iPS細胞由来の樹状細胞とマクロファージを用いた医療技術の開発
ダイレクトリプログラミングによるミクログリアから神経細胞への誘導
■免疫寛容誘導による免疫リプログラミング
化合物によるTreg誘導
肝類洞内皮細胞と免疫寛容
経口免疫寛容の誘導による免疫制御
腸内細菌と免疫寛容および腫瘍免疫制御
組織Tregにおける免疫リプログラミング
■エピゲノムおよび転写制御による免疫リプログラミング
DNAメチル化制御による制御性T細胞へのリプログラミング
T細胞の疲弊とその解除
老化による免疫リプログラミング
線維化を誘導するCD4組織常在性記憶T細胞のエピジェネティクス
T細胞老化のエピジェネティック制御
■新しいリプログラミング技術
リシール細胞技術を用いた“細胞編集”
光操作に基づくゲノムのリプログラミング技術の創出