次号予告
294巻8号 (2025年8月23日発行)
リン代謝研究の最新動向と臨床的意義
企画:駒場大峰(東海大学医学部 腎内分泌代謝内科学)
・リンは生命の営みに欠かせない元素である.生物の多様化が起こった“カンブリア爆発”においても,火山活動による海水中のリン濃度上昇が一因とされており,その重要性がうかがえる.
・リン代謝に関する研究は2000年代に大きく進展したが,近年,ふたたび転機を迎えつつある.骨細胞や尿細管細胞によるリン感知機構,テナパノルの登場により注目を集める腸管細胞間リン輸送,ブロスマブ登場により新時代を迎えたくる病・骨軟化症の治療など,新たな知見が相次いでいる.
・本特集ではリン代謝研究の最新知見を紹介し,日々の診療や今後の研究への関心を深める機会としたい.
【AYUMI】
はじめに
尿細管リン酸イオン再吸収機構の最新知見
腸管リン酸吸収機構の最新知見
生体のリン感知機構
高リン血症が骨代謝に及ぼす影響―二次性副甲状腺機能亢進症を伴う慢性腎臓病における骨病態
高リン血症と血管石灰化・生命予後
改定版ガイドラインと透析患者の高リン血症治療
腎移植後低リン血症の病態と自然経過
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症の病態と最新治療
【TOPICS】
生理学
褐色脂肪組織におけるMAFBの役割:マクロファージを介した交感神経と熱産生の調節
腎臓内科学
IgA腎症の新病態:メサンギウム細胞を標的としたIgA型自己抗体の発見
【連載】
ケースから学ぶ臨床倫理推論(19)
子どもの自己決定をいかに尊重するか
イチから学び直す医療統計(11)
相関と回帰
医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用
はじめに
医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用(1)
医療DXを支えるWeb3技術の基礎
【FORUM】
司法精神医学への招待―精神医学と法律の接点(14)
ドメスティック・バイオレンスと精神医療