やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

次号予告

269巻9号(2019年6月1日発行)

第1土曜特集

レクチン医学最前線

企画:山本一夫(東京大学大学院新領域創成科学研究科先端生命科学専攻)

・レクチンの定義に関する論文が『Nature』誌に掲載されたのは1980年代のことである.当時はまだ知名度も低く,レクチンが認識する糖鎖の生物学的意義に関しても知見は乏しかった.
・その後,免疫系にC型レクチン受容体の遺伝子が見出され,リガンドの特定と機能が明らかになるにつれて,レクチンの意義が注目されるようになった.現在では,さまざまな分野の研究者がこの領域に参画している.
・レクチンは教科書ではあまり触れられていないが,臨床では癌などの診断に活用されるなど決して遠い存在ではない.本特集では,今後レクチン研究がどのように進展するかを概説し,他の研究分野との連携を考察する.

【AYUMI】
■総論
レクチンの未来−自然に学ぶ時代から医工学利用に向けたエンジニアリングの時代へ
■レクチンの臨床に向けたアプローチ
レクチンによる糖鎖標的膵癌治療の開発
膵がん糖鎖バイオマーカーとしてのフコシル化ハプトグロビンの臨床応用
新たなモダリティーとしてのレクチン-薬剤複合体の創出
レクチンの口腔ケア製剤への利用応用
C型レクチン受容体Dectin-1による腸管免疫の制御
鳥インフルエンザウイルスヘマグルチニンのレセプター特異性と宿主伝播
■糖鎖を標的とした工学的アプローチ
蛋白質ナノブロックによるレクチン超分子複合体の創出戦略
ボロノレクチンを利用したバイオエンジニアリング
非蛋白性合成レクチンを用いた糖認識バイオマテリアル
アントラキノン-レクチンハイブリッド分子による標的糖蛋白質の選択的光分解−肝がん関連糖蛋白質AFP-L3の選択的光分解
■レクチンを標的とした工学的アプローチ
改変レクチンの創出
糖鎖高分子およびナノゲルによるレクチン機能材料の開発
感温性微粒子の調製とグルコースセンシング
■レクチンの新たな視点
レクチンとしての繊維芽細胞増殖因子
C型レクチン受容体のリガンド認識と免疫調節機構
■レクチン-糖鎖相互作用の物理化学的理解
レクチンの糖鎖認識とは
レクチンの複数の糖結合部位の親和性解析−セレン糖鎖とX線結晶構造解析
核磁気共鳴分光法と分子動力学計算を通じて観る糖鎖の動的構造とレクチンの糖鎖認識の理解