次号予告
298巻2号 (2026年7月11日発行)
生活習慣病とポリジェニックスコア―ゲノムが拓く個別化医療の未来
企画:伊藤 薫(千葉大学大学院医学研究院先端データ医科学,理化学研究所生命医科学研究センター循環器ゲノミクス・インフォマティクス研究チーム)
・多因子疾患の遺伝的リスクをスコア化する“ポリジェニックスコア(PGS)”は,糖尿病,循環器疾患などの生活習慣病領域やがん領域における発症予測精度の向上のみならず,個々人に最適化された予防介入を実現する鍵として大きな期待を集めている.
・しかし,依然としてPSGは難解な統計学的概念として敬遠され,一度決まったら変えられない宿命であるかのように誤解されがちな現状がある.
・本特集は,PGSの基礎概念から最新の臨床エビデンス,社会実装の課題までを体系的に解説する.統計学的な複雑さを紐解くとともに,欧米データ偏重からの脱却を目指す日本人特異的エビデンスの重要性,そして実際の予防・早期発見・治療選択にどのようにつなげるかという実践的な視点を提示する.
【AYUMI】
―ゲノムが拓く個別化医療の未来
はじめに
予測から医療的意思決定のツールへ―ポリジェニックスコアの社会実装へのロードマップ
ポリジェニックスコアの集団間予測性能格差―日本独自のゲノムデータの重要性
大規模ゲノムコホートと人工知能が拓く生活習慣病の個別化予防―多祖先解析時代におけるポリジェニックスコアの最前線
2型糖尿病のゲノム研究とその臨床応用
循環器疾患とポリジェニックスコア―遺伝的リスクに応じた管理
がん領域におけるポリジェニックスコア―リスク推定とリスク層別化検診の可能性
ヘルスケア産業と遺伝情報―ゲノム研究成果の社会実装の現在と将来展望
【TOPICS】
疫学
日本の乳がんサバイバーにおけるがん以外の疾患発症のリスク―医療レセプトデータを用いた同年齢の一般女性との比較
免疫学
制御性T細胞のIL-7受容体は2型糖尿病抑制に必要である
【連載】
医療にいかす行動経済学(19)
受診率を変えたメッセージの力―自治体の保健事業における行動経済学
知っておくと役に立つ!臨床医のための臨床検査医学講座(7)
安全な検体採取のポイント
【FORUM】
分子生物学の臨床応用 “分子”から“疾患・患者”へ(6)
標的タンパク質分解と核酸PROTAC:難標的に挑む新たな創薬潮流

