次号予告
296巻1号 (2026年1月3日発行)
第1土曜特集
AI×ビッグデータが実現する創薬DX
企画:奥野恭史(京都大学大学院医学研究科ビッグデータ医科学分野)
296巻2号 (2026年1月10日発行)
全身疾患の新たな危険因子としてのマイクロ・ナノプラスチック
企画:下畑享良(岐阜大学大学院医学系研究科脳神経内科学分野)
・AI技術の発展と社会実装が加速度的に進み,創薬分野においても,膨大なデータから疾患関連経路や病態関連遺伝子を抽出し,創薬標的をデータ駆動的に推定するなど,AI技術を応用した創薬プロセスに関する研究が急速に発展している.
・さまざまなデータの統合的活用が求められる一方で,データの偏りや不足,アクセス制限など,運用には依然として多くの課題が存在する.
・本特集では,AIを活用した創薬の現在地と今後の進むべき道筋を示すべく,臨床ビッグデータや分子ネットワークに基づく創薬標的推定から大規模言語モデルを実装した臨床試験まで取り上げ,さらには創薬計算技術など創薬のためのAIツールについても幅広く解説する.
【AYUMI】
はじめに
疾患発症予防とAI―個別化介入に向けた現在地と展望
AI創薬とデータベース
ゲノム医療からAI,そして創薬へ
臨床データ起点の創薬標的探索―AIによるデータ駆動型アプローチ
シングルセルオミクスを用いた創薬標的推定―深層生成モデルによる細胞動態解析から創薬標的同定へ
分子ネットワークに基づく創薬標的推定
創薬DX実現に向けた低分子創薬AIの進展と展望
中分子創薬AIの動向と展望
核酸医薬のためのアンチセンス核酸のデータベースと活性予測技術
抗体創薬AI
トランスレーショナルリサーチを加速化する数理モデル解析およびそれを支援するin silico技術の進展
臨床開発におけるAI技術の活用―被験者リクルート効率化を中心に
創薬計算技術 創薬のための分子深層学習ツールと基盤モデル
創薬計算技術 タンパク質言語モデルと生成AI
創薬計算技術 AlphaFoldとcryoTWIN
創薬計算技術 分子シミュレーション
創薬計算技術 分子生成AIとシミュレーションの連携
AIとシミュレーション技術に基づく創薬DXプラットフォームの開発
・近年,マイクロ・ナノプラスチック(MNPs)による環境汚染が世界的な関心を集めている.
・MNPsは単なる環境汚染物質ではなく,生体内に侵入して蓄積し,炎症,酸化ストレス,免疫調節異常といった生体応答を惹起する可能性が指摘されている.実際,MNPs陽性例で心筋梗塞や脳卒中などによる死亡リスクが上昇すること,認知症患者の脳に高濃度のMNPsが蓄積していることが報告され,また,肺胞レベルでのMNPs曝露は慢性炎症や線維化を増悪させる可能性が指摘されている.
・本特集では,免疫毒性,生体への侵入経路,細胞傷害機構から,曝露低減に向けた行政的取り組みまで,多角的な視点でMNPsに関する最新情報を紹介する.
【AYUMI】
はじめに
総論―マイクロ・ナノプラスチックの基礎知識と問題点
マイクロ・ナノプラスチックに含まれる化学物質と毒性
マイクロ・ナノプラスチックの人体への侵入とその機序
マイクロ・ナノプラスチックの表面性状と細胞障害性
マイクロ・ナノプラスチックの心血管系への影響
マイクロ・ナノプラスチックの脳梗塞,認知症への影響
大気中マイクロ・ナノプラスチックの呼吸器系への影響
環境省のマイクロ・ナノプラスチックへの取り組み
【TOPICS】
感染症内科学
HIV感染症の現状:病態理解と治療の進歩,早期診断の課題
内科学/心身医学
心因性発熱:経過観察は解決策ではない.積極的に治療すべき高体温症
【連載】
医療分野におけるブロックチェーンとNFTの活用(13)(最終回)
「ヘルスプロモーションプランナー」実現に向けた分散型ネットワークとデジタルツイン活用のスポーツ医学の発展:『次世代コンディショニング提供システム』構築
医師の働き方改革―取り組みの現状と課題(12)
医師の有給休暇の取り扱い
医療における生成AIとDX(4)
生成AIを用いた診断応用の現在地と課題
医療にいかす行動経済学
はじめに―「行動経済学」という用語を聞いたことがあるだろうか?
医療にいかす行動経済学(1)
医療行動経済学のすすめ
【FORUM】
人間社会の未来―専門家が予見する人類の行方(8)
気候変動と健康の未来
書評
『微生物世界の探究 生命誕生の謎へと至る四〇〇年』

