やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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医学のあゆみ
299巻6号
不安症・強迫症の診断と治療
11月第1土曜特集

定価 2,970円 (本体 2,700円+税10%)
  • 総頁数:104頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2026年11月
  • 注文コード:929906
  • 雑誌コード:20471-11/7

お知らせ

内容紹介

・不安症・強迫症は生涯有病率が高く経済的損失も大きいが,一般臨床での認知度は高くない.日常生活に支障が生じているにもかかわらず,受診に至らず有効な治療介入がなされない場合も多い.
・近年,社交不安症・パニック症・強迫症の診療ガイドラインが相次いで公表され,全般不安症への適用薬剤も承認されるなど,診断と治療をめぐる機運が高まっている.
・本特集では,不安症・強迫症の概念と分類の変遷,脳画像研究,遺伝子研究の最新知見を総論としてまとめるとともに,パニック症,強迫症,社交不安症,全般不安症の診断と鑑別,薬物療法,精神療法,さらに子どもの不安症についても解説する.

序文

はじめに
 朝倉 聡
 北海道大学保健センター
 不安症・強迫症は生涯有病率が高く,疾病費用も高額で,その多くが罹病費用〔就業者の生産性低下による損失と非就業者による損失(非就業費用を含む)〕とされ,経済損失も大きいとされている.しかし,一般臨床での認知度は高くはなく,日常生活に支障が生じているにもかかわらず,いまだ受診には至らず有効な治療的介入がなされない場合も多くみられると考えられる.
 わが国では,2021年に「社交不安症の診療ガイドライン」が公表され,2025年には「パニック症の診療ガイドライン」と,「強迫症の診療ガイドライン」が公表された.また2026年には,わが国ではじめてとなる全般不安症に対する適用薬剤も承認され,不安症・強迫症に対する診断と治療についての機運は高まっている.
 不安症・強迫症は,かつては“神経症”として診断,治療がなされており,その概念と分類の変遷の歴史は重要である.近年は脳画像研究も飛躍的に増加しており,最新の研究成果を知っておくことは意義深い.また,古くて新しい問題として遺伝と環境の問題もあるが,最新の関連遺伝子研究の結果も疾患の理解や介入に示唆を与える.これらをそれぞれの分野のエキスパートの先生にご執筆いただき,本特集では,総論としてまとめられている.
 各論としては,パニック症,強迫症,社交不安症,全般不安症について診断と鑑別,薬物療法,精神療法を診療ガイドライン作成などにも参画しているエキスパートの先生にご執筆いただいている.これらの知見は,日々の臨床において大変役立つものと考えられる.また,不安症は発症年齢が比較的早いこともあり,子どもの不安症も重要であるため,これに対する診断と治療についてもまとめられている.
 一般臨床において,不安を訴えて受診する患者は多いと推察される.今回,現在における不安症・強迫症の診断と治療の最前線を概観し,本特集のなかで,その位置づけを明らかにしたい.

目次

 はじめに(朝倉 聡)
総論
 不安症・強迫症の概念と分類の変遷(塩入俊樹)
 不安症・強迫症の脳構造変化(浅見 剛)
 不安症・強迫症における遺伝と環境(音羽健司)
パニック症
 パニック症の診断と鑑別─パニック発作の評価から身体・精神疾患との鑑別まで(髙塩 理)
 パニック症の薬物療法─ガイドラインと実臨床をつなぐ治療の考え方(西川大曜・稲田 健)
 パニック症の認知行動療法─「不安になっても大丈夫」を目指す治療(関 陽一)
強迫症
 強迫症の診断や鑑別─その異種性や潔癖症との境界を中心に(松永寿人)
 強迫症に対する薬物療法(村山桂太郎)
 強迫症の認知行動療法(中尾智博)
社交不安症
 社交不安症の診断と鑑別(藤井 泰)
 社交不安症の薬物療法(三井信幸)
 社交不安症の精神療法─認知行動療法を中心に(吉永尚紀)
全般不安症
 全般不安症の診断と鑑別(大坪天平)
 全般不安症の薬物療法と心理教育(清水栄司)
 全般不安症の精神療法(金井嘉宏)
子どもの不安症
 子どもの不安症の診断と治療(石川信一)
 次号の特集予告