医学のあゆみ
298巻12号
人工冬眠がもたらす次世代医療に向き合う
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2026年9月
- 注文コード:929812
- 雑誌コード:20473-9/19
内容紹介
・物語では描かれるものの,人間には不可能であると考えられてきた「人工冬眠」.それがいま,生物学と医学の進展により現実の科学として姿を現しつつある.
・本特集では,体温管理療法(TTM)が抱える生理学的パラドックス,冬眠研究が示す新概念“能動的低代謝”,視床下部のQ神経による冬眠様状態の誘導,超音波刺激という非侵襲的アプローチなど,人工冬眠を再現可能・制御可能な“医療技術”として定義し,現代医療の限界を突破するロードマップを提示する.
・サルコペニアの予防や臓器の長期保存への応用可能性,そして人生に“一時停止期間”が挿入されたとき,死生観や社会制度はどう変わるべきか.哲学・医療倫理の専門家や作家を交えて議論する.
目次
はじめに─人工冬眠研究の現在地と,その先にある問い(砂川玄志郎)
体温管理療法から代謝制御療法へ─救急集中治療における休眠療法の応用展望(山田博之・大鶴 繁)
冬眠がもたらす臨床応用の可能性(砂川玄志郎)
経頭蓋超音波照射による生理機能制御─自由行動動物への冬眠様状態の誘導に向けて(Michele Chan・他)
冬眠様状態を制御する中枢神経機構─低体温・低代謝を導く神経回路とその応用(齊藤夕貴・櫻井 武)
冬眠動物に学ぶ“衰えない筋肉”─低代謝状態による筋恒常性維持機構(宮﨑充功)
冷やしても死なない細胞の仕組み─冬眠哺乳類の低温耐性メカニズムの解明に向けて(曽根正光)
冬眠における時計遺伝子発現の再編成─シマリス肝臓にみる深冬眠-中途覚醒サイクルと末梢時計の部分再起動(塚本大輔)
人工冬眠技術をめぐる哲学的論点の整理と,“同期”の崩壊について(谷川嘉浩)
低体温・低代謝の人工的導入と医療倫理─いわゆる“人工冬眠”と倫理の接点(井上悠輔)
[コラム]人工冬眠を描いたフィクション作品群の発展(瀬名秀明)
TOPICS
免疫学 日本人COVID-19感染回復者で誘導・維持される強力なHLA-C拘束性キラーT細胞応答(本園千尋)
感染症内科学 見逃してはいけないマダニの被害(小泉陽介・泉川公一)
連載
医療にいかす行動経済学(25)
日本における幸福/ウェルビーイングの現状と要因について─医療行動経済学への示唆(石川善樹)
知っておくと役に立つ!臨床医のための臨床検査医学講座(13)
糖尿病代謝関連検査(佐藤麻子)
ネオ免疫学 生命進化に学ぶ免疫学のパラダイムシフト(2)
自己と非自己の識別─タスマニアデビルの受難(新田 剛)
FORUM
分子生物学の臨床応用 “分子“から“疾患・患者”へ(12) ミトコンドリア病新規検査法の開発─包括的遺伝子検査からマルチオミクス診断への展開(岡﨑康司・村山 圭)
次号の特集予告
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