医学のあゆみ
293巻2号
ひきこもりの病態理解とその対応
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年4月
- 注文コード:929302
- 雑誌コード:20472-4/12
内容紹介
・「ひきこもり」は国内推計140万人を超え,かつて日本特有の社会現象とされてきたが,2022年にはDSM-5-TRに"hikikomori"として収載され,国際的な医学的関心を集めている.
・近年の国内外の研究成果から,統合失調症,うつ病,パーソナリティ症,神経発達症などとの高い併存率が明らかになりつつあり,「ひきこもり」を医学の俎上に載せるかどうか,重要な転換点に我々は立っている.
・多角的理解の深化が偏見解消と個別化支援システムの構築が進み,「ひきこもりの医学」が発展すべく,本特集では,評価法、病態理解,支援法を紹介するとともに,当事者や家族の声を通じて「ひきこもり」の実相に迫る.
目次
はじめに(加藤隆弘)
総説─ひきこもりの多面的理解と多面的支援(加藤隆弘)
ひきこもりとネット・ゲーム依存─共通した背景要因(館農 勝)
不登校・ひきこもりと神経発達症の子ども(渡部京太)
ひきこもりから社会参加までをシームレスにつなぐ心理支援(境 泉洋)
ひきこもり問題への精神分析的アプローチ(近藤直司)
メタバース活用によるひきこもりなど長期無業者の就労支援(林 裕子・他)
当事者の環境を“北風“から“太陽”へ─ひきこもり当事者の自己治癒力を育む環境づくり(寺澤元一)
ひきこもり当事者は多様で,“普通”の人たちである(石井英資)
ひきこもりの生物学的理解に向けたバイオマーカー探索の現状と今後の指針(瀬戸山大樹)
TOPICS
社会医学 世代別にみるLGBTQIA+の健康課題と解決策(清家 理・他)
連載
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(29)
共生細菌によるIgE自然抗体の産生制御(北村大介)
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(15)
当院における細胞シート移植術後リハビリテーションの取り組み(玉木美夕・佐藤正人)
ケースから学ぶ臨床倫理推論(6)
守秘義務のケース(野口善令)
FORUM
司法精神医学への招待─精神医学と法律の接点 はじめに(平林直次)
司法精神医学への招待─精神医学と法律の接点(1) 現代社会と司法精神医学─司法精神医学のパラダイムシフト(五十嵐禎人)
書評『口腔領域の漢方治療 勿語歯科室方函口訣』(小澤夏生著)(砂川正隆)
次号の特集予告
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