内容紹介
本別冊では,エピゲノムという新たな概念の基礎と医学への応用が著しい分野を中心に紹介した.まず「エピゲノムとその制御因子」では,コヒーシンとインシュレーター機能などについて,また「疾患エピゲノム」では,生活習慣病や癌とエピゲノム,iPS細胞のエピゲノムなどについて解説した.
目次
1.エピゲノムの医学(児玉龍彦)
2.コヒーシンとインシュレーター機能(坂東優篤)
3.エピゲノム血管生物学が解き明かす炎症特異的転写ファクトリーのしくみ(和田洋一郎)
4.エピゲノム制御にかかわるヒストン修飾のイメージング(木村 宏・林 陽子)
5.ヒストンメチル化修飾による転写,DNA修復,複製の制御機構とその破綻によるゲノム疾患(坪田智明)
6.哺乳類細胞におけるヒストン脱メチル化機構(立石敬介)
7.明らかになってきたエピゲノム制御におけるRNAの役割(廣瀬哲郎)
疾患エピゲノム
8.生活習慣病とエピゲノム(酒井寿郎・稲垣 毅)
9.エピゲノム異常と癌(油谷浩幸)
10.癌診断とエピゲノム(金田篤志)
11.iPS細胞のエピゲノム―再生医療に向けたiPS細胞のクオリティコントロールにおけるエピゲノム解析の有用性(山田泰広・山中伸弥)
12.記憶・学習の形成と維持をつかさどるエピジェネティック制御メカニズム―記憶・学習のエピジェネティック制御(榎本和生)
13.エピゲノム制御を介したホルモン作用(加藤茂明)
14.脳のエピゲノムと精神疾患(加藤忠史)
15.エピゲノムに基づく“後天性小児遺伝性疾患”概念の創設(久保田健夫)
16.ストレスによるエピジェネティック変化は遺伝するか―ATF-2によるエピジェネティック制御(石井俊輔)
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児玉龍彦 編