
1994年,最初のALK融合タンパクであるNPM-ALKが,未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)で報告された.ALK陽性ALCL(ALK+ALCL)以外の造血器腫瘍においては,ALK陽性大細胞型B細胞リンパ腫(ALK+LBCL),ALK陽性組織球症においてALK融合の存在が定義となっている.固形腫瘍における最初のALK融合は,炎症性筋線維芽細胞腫瘍(IMT)において同定された.2007年,ALK陽性上皮性腫瘍の最初の報告として,非小細胞肺がんにおいてEML4-ALKが報告された.その後,腎細胞がん,大腸がん,乳がん,卵巣がん,甲状腺がん,膀胱がんなどにおける報告があるがALK融合の頻度はきわめて低い.その他,皮膚腫瘍としてスピッツ腫瘍や類上皮細胞組織球腫などで,ALK融合が報告されている.