内容紹介
・本誌では約20年ぶりとなる内分泌代謝疾患の大特集号.2026年の日本内分泌学会創立100周年を前に,内分泌学の歴史を振り返り,未来を展望する.
・古典的な内分泌代謝疾患から,ホルモン測定技術やゲノム研究,病理学の進歩により発見された疾患,免疫チェックポイント阻害薬,新しい治療法が生み出す病態まで,内分泌代謝領域の鍵となる疾患や病態を網羅.
・最前線の研究者らが,論文や教科書では得られない歴史的知見と最新情報,今後の課題を提示する.本特集が専門家から初学者まで幅広く刺激を与え,内分泌学の次なる100年への道しるべとなることを期待したい.
目次
視床下部・下垂体
クッシング病─診断と治療の現状と今後の展望(大月道夫)
成人成長ホルモン分泌不全症と先端巨大症(山本雅昭・福岡秀規)
下垂体TSH産生腫瘍のこれまでとこれから(堀口和彦)
腫瘍随伴自己免疫性下垂体炎─疾患概念の発展と今後の展望(坂東弘教・井口元三)
下垂体腺腫/下垂体神経内分泌腫瘍(PitNET)の病理診断,今昔(井下尚子・他)
GH治療の歴史と展開(水野晴夫)
バソプレシン分泌異常症─中枢性尿崩症,抗利尿ホルモン不適切分泌症候群(萩原大輔・有馬 寛)
先天性腎性尿崩症の新しい治療戦略(安藤史顕・原 悠)
甲状腺
バセドウ病の成因・診断・治療(稲葉秀文)
甲状腺眼症の現状と展望(山内一郎)
慢性甲状腺炎と潜在性甲状腺機能低下症─妊娠関連含む(吉原 愛)
先天性甲状腺機能障害と遺伝子異常(中尾佳奈子)
薬剤性甲状腺機能障害(間中勝則)
ゲノムからみた甲状腺癌と分子標的薬(光武範吏)
副甲状腺とカルシウムミネラル代謝
原発性副甲状腺機能亢進症を考える(槙田紀子)
副甲状腺機能低下症,偽性副甲状腺機能低下症と類縁疾患(難波範行)
FGF23関連低リン血症性くる病・骨軟化症とリン感知機構(士祐一)
内分泌・代謝疾患としての骨粗鬆症(鈴木敦詞)
骨系統疾患と新規治療(道上敏美)
ビタミンDと全身疾患(井上玲子・井上大輔)
副腎
原発性アルドステロン症の温故知新(曽根正勝)
アルドステロン産生病変の病理学(西本紘嗣郎・向井邦晃)
コルチゾール産生副腎腫瘍の遺伝子異常(佐久間一基・田中知明)
褐色細胞腫・パラガングリオーマ(與那嶺正人)
単一遺伝子疾患としての原発性副腎不全(鳴海覚志)
原発性両側大結節性副腎皮質過形成(PBMAH)と遺伝子異常(奥野陽亮)
糖尿病・脂質代謝
1型糖尿病─劇症,急性発症,緩徐進行(3つのサブタイプ)(今川彰久)
肥満,2型糖尿病とアディポネクチン/アディポネクチン受容体シグナル(小堀勤子・他)
糖代謝異常合併妊娠(曽根博仁・山田貴穂)
尿酸代謝異常症と内分泌疾患(久留一郎)
脂質異常症の未来予想図(岡ア啓明)
性腺
性分化疾患の考え方─Update(齋藤洋子・鹿島田健一)
多嚢胞性卵巣症候群(原田美由紀)
男性性腺機能低下症の診断と治療─小児から加齢男性性腺機能低下症まで(白石晃司)
内分泌疾患と診療科連携
遺伝性腫瘍症候群としての内分泌腫瘍(櫻井晃洋)
免疫チェックポイント阻害薬による内分泌代謝障害(岩間信太郎)
内分泌代謝領域におけるDOHaD学説(橋本貢士)
内分泌疾患の移行期医療─小児科医師と成人診療科医師に必要な視点(長谷川行洋)
次号の特集予告
サイドメモ
PIT-1(pituitary transcription factor 1)
甲状腺眼症(Thyroid eye disease)の名称に至るまで
甲状腺自己抗体と妊娠との関連
新生児マススクリーニング
後天性低Ca尿性高Ca血症(AHH)
FGF23の作用障害による家族性高リン血症性腫瘍状石灰沈着症(FHTC)
二次性骨折予防継続管理料とリエゾンサービス
骨系統疾患診療における多診療科・多職種連携の重要性
クッシング症候群の由来
PPGLの多遺伝子パネル検査(MGPT)
膵島炎(insulitis)
ICA(islet cell antibodies)
DOHaD学説とエピジェネティクス
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