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「医学のあゆみ」第5土曜特集第287巻13号
アルツハイマー病 ─研究と治療の最前線

岩坪威 企画
定価 6,490円(本体 5,900円+税10%)
  • 総頁数:272頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2023年12月
  • 注文コード:286820
  • 雑誌コード:20475-12/30

内容紹介

・わが国でアルツハイマー病(Alzheimer’s disease:AD )に代表される認知症を患われる方の数は数百万名にのぼり,社会損失は年間十数兆円に達し,われわれ国民の社会生活,経済活動にも重大な影響を及ぼしはじめている.
・2023年に日米で薬事承認されたレカネマブはADの進行を抑える効果がある.投与適否の診断には, PETスキャン,副作用管理と安全使用にはMRIが重要であり.これらと血液バイオマーカー診断の組み合わせにより,認知症の超早期段階での治療が期待される.
・ADの治療薬が国民に行き渡るには,認知症疾患医療センターの充実をはじめとする医療の均てん化に加えて, “認知症専門医”の充実は焦眉の急である.本特集では, ADをはじめとする認知症に関する最先端の知見を,各分野のエキスパートの先生方に解説いただく.

目次

 はじめに─アルツハイマー病治療の新時代に向けて(岩坪 威)
基礎
 アルツハイマー病とミクログリア・炎症(富田泰輔)
 アルツハイマー病とβアミロイド蓄積(橋本唯史)
 Aβ凝集とプロトフィブリル(小野賢二郎)
 アルツハイマー病の病理変化とリスク因子としての糖尿病(若林朋子)
 細胞外フローを介した脳内クリアランス─グリアリンパ系と硬膜リンパ系(山田 薫)
 タウオパチーの構造生化学的な疾患分類(樽谷愛理・長谷川成人)
 アルツハイマー病のモデル開発─前臨床モデルから臨床モデルへ(眞鍋達也・齊藤貴志)
 エピジェネティクスとアルツハイマー病(間野達雄・岩田 淳)
バイオマーカーとゲノム
 アルツハイマー病の脳脊髄液バイオマーカー─AT(N)分類から5年(春日健作)
 質量分析を用いた血液バイオマーカー測定法の開発(金子直樹・中村昭範)
 疾患修飾薬時代のAPOE遺伝学的検査の臨床的意義(池内 健)
 アルツハイマー病のGWAS(宮下哲典)
画像・AI
 アミロイドPETイメージング─アミロイド抗体薬による治療を迎えて(加藤隆司・他)
 タウPET(樋口真人)
 グリアリンパ系(glymphatic system)のMRIを用いた臨床評価(佐藤典子・太田深秀)
 アルツハイマー病の安静時機能的ネットワーク(渡辺宏久)
 MRIとアミロイド関連画像異常(ARIA)(堀内大右・他)
 アルツハイマー病の新規MRIプローブ(遠山育夫・柳沢大治郎)
 アルツハイマー病とデータサイエンス─データ活用によるプレクリニカルAD研究促進(佐藤謙一郎)
 AIを用いたアルツハイマー病の診断(武田朱公)
予防・疫学
 認知症の地域疫学研究の知見(二宮利治)
 アルツハイマー病・認知症の予防を目指した多因子介入(杉本大貴・他)
臨床・治療薬
 アルツハイマー病の診断基準の変遷と将来像(井原涼子)
 アルツハイマー病における認知機能評価(森 悦朗)
 アルツハイマー病の鑑別診断─AGD,LATE,FTD,FLTD(東 晋二・新井哲明)
 アルツハイマー病疾患修飾薬概論と抗Aβ抗体医薬の実用化(栗原正典・岩田 淳)
 全身性アミロイドーシスからアルツハイマー病へのimplication(関島良樹)
 実臨床におけるアルツハイマー病疾患修飾薬導入の課題─レカネマブを中心に(吉山容正)
 アミロイド関連画像異常(ARIA)とその診断・治療(冨本秀和)
 タウを標的とする治療の将来(田中稔久)
 アルツハイマー病症候改善薬の開発と将来像(本間 昭)
 認知症診療における患者・家族への非薬物的アプローチ(田村法子・三村 將)
 若年性アルツハイマー病と非定型/海馬保存型アルツハイマー病(川勝 忍・小林良太)
 プレクリニカルアルツハイマー病の診断と臨床研究(新美芳樹)
 アルツハイマー病の行動・心理症状(數井裕光)
 認知症ケアと共生社会(繁田雅弘・今井幸充)
社会医学・政策
 認知症と社会保障(粟田主一)
 認知症の地域包括ケア─認知症ケアパスの活用(鷲見幸彦・進藤由美)
 認知症施策と共生社会実現に向けた取り組み(石井伸弥)
 認知症の人に対する生活支援(木下彩栄)
 本人の立場から認知症の課題を考える─生活上の課題とサポートの重要性(奈倉道隆)
 家族の立場から認知症の課題を考える(鎌田松代)
 アルツハイマー病の医療経済学(池田俊也)
 アルツハイマー病からみた認知症診断・治療ガイドラインの将来像(和田健二)
 新時代のアルツハイマー病治療に求められる専門医教育(秋山治彦)
 「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の成立─法律の内容と今後について(鈴木隼人)

 次号の特集予告

 サイドメモ
  TREM2
  cGAS-STING経路
  高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)
  認知症予防のための修正可能なリスク因子
  実験モデルにおいて形成されるタウ線維
  ADでみられるタウ病理の評価法
  腰椎穿刺後頭痛(PLPH)
  質量分析
  アミロイドPETを保険償還するべきか否か,2013年当時の議論
  アミロイドPET用薬剤
  ケミカルシフトとフッ素MR画像法
  SaMD(プログラム医療機器)
  軽度認知障害(MCI)の定義と同義語
  タウオパチー
  応用行動分析(applied behavior analysis)
  マインドフルネス(mindfulness)
  臨床的認知症尺度(CDR)
  IADLの尺度
  スターリング大学の認知症にやさしいデザインの認証制度
  分散型臨床試験(DCT)
  「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」の“基本理念”

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