
肝がん(HCC)は,わが国におけるがん死亡率の第3位であり,わが国をはじめとした東アジアで多いがんのひとつである.近年の大規模なゲノム解析によって,HCCにおけるドライバー遺伝子の全体像はかなり詳細に明らかとなってきており,その成果を臨床に応用することもすでにはじまっている.本稿では,大規模なHCCゲノム解読研究や最新の知見を踏まえ,これまでに明らかとなったHCCにおけるゲノム異常の全体像からみえる新たな治療開発への展開について紹介する.

ドライバー遺伝子,テロメラーゼ遺伝子,多様性,リキッドバイオプシー