医学のあゆみ
293巻1号
健康危機への備えと対応 ─パンデミックと能登半島地震を踏まえた社会とシステムのあり方
4月第1土曜特集
- 総頁数:132頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年4月
- 注文コード:929301
- 雑誌コード:20471-4/5
内容紹介
・2020年のCOVID-19パンデミックや2024年の能登半島地震などは記憶に新しい.突発的災害による健康危機への対応は喫緊の社会課題である.同時に,薬剤耐性がもたらすサイレントパンデミックや人口減少社会における社会保障費や医療費の財源逼迫も,静かに進行する重大な健康危機といえる.
・これら多様な健康危機に体系的に対処するには,医学領域のみならず,防災学や経済学,社会心理学など多分野との協働が不可欠となる.さらに,個人のセルフケア能力や地域社会レジリエンスの向上も重要であり,これらの統合的アプローチが安心・安寧の社会を構築する鍵となる.
・本特集では,健康危機管理に関わる多領域の専門職が集結し,社会システムの理想的なあり方や今後の対策を提言する.また,最新の研究成果や実践活動を報告するとともに,過去の危機から得られた教訓,技術・制度における課題と展望を多角的に紹介する.
目次
感染制御・救急災害医療など危機管理の視点から
感染制御と臨床検査の観点からみたCOVID-19パンデミックと健康危機管理の課題(長尾美紀)
救急・災害医療から健康危機管理へ(大鶴 繁)
医療安全管理と災害・健康危機リスク管理の連続性(松村由美)
健康危機における医療管理─医療専門職人材の機能限定性に着目して(加藤源太)
感染症危機管理─感染症対策を超えて(齋藤智也)
基礎医学の視点から
ヒト病原性ウイルス研究から考える次のパンデミックへの対策(木村香菜子・他)
わが国における新規ワクチン開発のためのヒト免疫モニタリングシステム構築の重要性(上野英樹)
劇症化する細菌感染症(中川一路)
社会と健康の視点から
健康危機におけるリスクコミュニケーション(蝦名玲子・中山健夫)
健康危機管理への予防医療学的なアプローチ─AEDを活用した危機管理体制の構築とPHRによる救急災害医療DXへの展望(石見 拓)
パンデミックに備える急性期,回復期,維持期リハビリテーションシステムの構築(青山朋樹)
健康危機に対する地域保健と公衆衛生看護(塩見美抄)
危機時の“健康の社会的決定要因”(近藤尚己)
災害対応・防災の視点から
災害医療支援活動(近藤久禎)
甚大な健康危機に対するグローバルな備えと対応(國井 修)
総合的な危機管理(牧 紀男)
災害時の保健医療福祉に関する政策研究の動向と人材育成(冨尾 淳)
社会・経済・制度政策の視点から
健康危機に向けたわが国の政策(佐々木昌弘)
健康危機への対応と法治主義(山田哲史)
文化的デフォルトとパンデミック対応(内田由紀子・中村沙椰)
日本の新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が消費行動へ与えた真の影響(谷 直起)
ヘルスセキュリティと健康医療介護の社会システム(今中雄一)
次号の特集予告
サイドメモ
ハザードとリスク
災害フェーズ
研修と訓練・演習
統括DHEAT
明治時代の感染症対策(新旧千円札の北里と野口)
法治主義と法の支配
相互独立と相互協調
原因帰属の文化差
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