医学のあゆみ
287巻5号
老化を標的とした疾患予防・治療
11月第1土曜特集
- 総頁数:112頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2023年11月
- 注文コード:928705
- 雑誌コード:20471-11/4
内容紹介
・老化はあらゆる生物に必然的に生じる普遍的な生命現象と考えられてきたが,その過程は生物種にとり多様で,加齢に伴う老化の表現がほとんど認められない生物から,顕著な老化形質を示す生物まで多岐にわたる.
・近年の分子生物学的技術の急速な進歩により,さまざまなモデル生物を用いた研究から老化過程は他の生命現象と同様に,シグナル伝達や転写制御,さらには細胞間相互作用により強く影響を受けることが明らかとなった.
・本特集では,各臓器の老化病態から老化細胞との関わり, senolyticsによる老化表現の改善までを概説,senolyticsのモダリティについても低分子化合物から抗体,ワクチンまで紹介している.
目次
総論
老化細胞─その特異的な性質(高杉征樹・大谷直子)
動的エピゲノム情報の変化と老化制御(早野元詞)
老化細胞の光と影(千見寺貴子・齋藤悠城)
細胞膜損傷を起点とする新たな老化細胞サブタイプ(河野恵子・森山陽介)
免疫細胞の老化と臓器,個体の老化(吉村昭彦・伊藤美菜子)
造血幹細胞の老化と若返りへの試み(横溝貴子・岩間厚志)
腎臓の老化(武呂幸治・他)
各論
低分子化合物による老化細胞除去の現状と未来(大森徳貴・城村由和)
肺組織における細胞老化(津島博道・杉本昌隆)
免疫系を利用した老化細胞除去─老化細胞除去ワクチンによる心血管系老化の改善(須田将吉・南野 徹)
老化細胞ワクチンによる糖尿病・慢性疾患治療(中神啓徳)
抗PD-1抗体を用いた老化細胞除去(川上聖司・他)
がん細胞の老化促進による持続的な抗がん作用を示すα線標的アイソトープ治療薬の開発(張 明栄)
老化に関連したヒトゲノム情報(鎌谷洋一郎)
ハダカデバネズミを用いた老化研究─最長寿齧歯類ハダカデバネズミの老化耐性機構の解明に向けて(中村一輝・他)
全身の老化制御メカニズムの理解を加速する新たなモデル動物“ターコイズキリフィッシュ”(石谷 太)
次号の特集予告
サイドメモ
三次リンパ組織(TLT)
AbbVie Inc.
老化細胞特異的遺伝子操作の試み
OT-1マウス
ゲノム内在性レトロトランスポゾン
α線
標的アイソトープ治療
INK4a-RB経路
ターコイズキリフィッシュ
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