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278巻9号 2021年8月28日
腸内細菌と免疫
はじめに
AYUMI 腸内細菌と免疫 はじめに 三宅幸子
  われわれは腸内細菌をはじめとしたさまざまな常在細菌と共存している.腸管には,1,000種100兆個以上とも推定される細菌が生態系を形成し,感染防御,消化管機能の調節,食事性非消化炭水化物の分解や代謝,ビタミン類の産生および腸管上皮に必要な栄養素の供給など生体に重要な役割を担う.腸内細菌はこれらの作用のみでなく,宿主の肥満度や耐糖能に関与したり,行動様式にまで影響を与えるという研究が注目され,腸内細菌が生体にどのような作用を及ぼすか,多くの研究がなされている.そのなかでも免疫システムは腸内細菌と関連がきわめて深い.
 腸管は最大の免疫器官であり,生体の半数以上のリンパ球が存在し,その種類も多彩である.免疫細胞は,サイトカインや免疫グロブリンを介して腸内細菌の構成に影響を与える一方,腸内細菌の菌体成分や代謝産物により,分化や機能の調節を受けている.近年,Th17細胞を誘導する細菌,制御性T 細胞を誘導する細菌,CD8 T細胞を誘導する細菌など,特定のT細胞サブセットを誘導する腸内細菌が報告され,さらにそれらの菌の代謝産物や菌体成分がどのように働いているか研究が進んでいる.また同時に,シークエンスによる常在細菌の網羅的遺伝子解析が進み,腸内細菌とさまざまな疾患との関連の研究も進められている.
 今回の特集では,腸内細菌と免疫応答に関する研究において,日本の第一人者の先生方に,腸管免疫システムやIgAによる腸内細菌制御のメカニズムなどの基礎的な研究から,関節リウマチ,多発性硬化症,肝臓疾患などの疾患に関連した研究や,がん免疫応答との関連に至るまで,最新の知見と見解をまとめていただくことができ,大変意義深い.
 腸内細菌による免疫応答の仕組みや疾患との関連が解明されることで,これら疾患の病態の理解が深まるばかりでなく,これら疾患の診断,治療,さらには予防法の開発までつながることが期待される.
目 次
腸内微生物と腸管免疫細胞の相互関係……奥村龍・竹田潔
腸管IgA抗体による腸内細菌制御……森田直樹・新藏礼子
腸内細菌とリウマチ性疾患……前田悠一・他
多発性硬化症における腸内細菌研究の進歩……竹脇大貴・他
腸内細菌と肝臓疾患……中本伸宏・金井隆典
がん免疫応答と腸内細菌……福岡聖大・西川博嘉
TOPICS
【社会医学】
高齢者における通院中の医療機関数と多剤併用の関連……鈴木俊輝・他 
【臨床検査医学】
細胞治療における臨床検査技師の役割……伊藤誠 
【免疫学】
COVID-19における免疫応答の性差……高橋岳浩・岩崎明子 
連載
【この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症】
16.肝蛭症(肝占拠性病変の鑑別診断のひとつに考えよう)……中村ふくみ 
【いま知っておきたい最新の臨床検査――身近な疾患を先端技術で診断】
15.循環器関連疾患の遺伝学的検査……森崎裕子 
【オンラインによる医療者教育】
2.COVID-19パンデミック下の解剖学実習:オンラインバーチャル実習のち御遺体解剖……坂本信之・池上浩司 
フォーラム
【子育て中の学会参加】
8.内科医の視点から……佐藤奈穂子 
速報
大監医における夏期取り扱い例では腐敗を伴う孤独死によって熱中症死亡を過小評価している……片岡真弓・他
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腸内細菌と免疫
278巻9号 2021年8月28日
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