内容紹介
・脳機能イメージングは,脳血流や脳代謝のような特定の生体機能情報を画像化する検査法で,MRI装置を用いた機能的MRI(fMRI)や,PETやSPECTなどの核医学検査法が含まれる.
・脳機能イメージングによって,脳の形態異常を伴わないために,これまでは評価することができなかった精神疾患でも,さまざまな脳機能の異常を評価することが可能になっている.
・総論では主にMRIとPETについて最近の技術進歩を紹介し,各論では脳血管障害,認知症などの器質性疾患や,統合失調症,発達障害など精神障害について,脳機能イメージングを用いた最新の研究成果を紹介する.
目次
総論
【最新の技術】
MRI による脳機能イメージングの最近の動向 齊藤麻美・青木茂樹
超高磁場MRI による脳機能イメージング−種間比較をめざして 定藤規弘・福永雅喜
脳ミトコンドリア機能イメージングのためのPET プローブ開発−[18F]FDG を超えるPET プローブ開発への挑戦 塚田秀夫
次世代の頭部専用PET 装置の開発 山谷泰賀・高橋美和子
マルチモーダルイメージングの動向 伊藤 浩
各論
【脳血管障害】
脳血管障害のPET,SPECT 岡沢秀彦
急性期脳梗塞におけるarterial spin labeling 法による非造影MR 灌流画像の臨床応用 篠原祐樹
【認知症・神経変性疾患】
認知症診療におけるFDG-PET とアミロイドPET 石井一成
認知症診療におけるタウPET の役割−Lessons learned from neuropathological PET imaging 仲野義和・島田 斉
神経変性疾患の脳機能イメージング 石井賢二
Lewy 小体型認知症の核医学画像検査 鈴木政秀・平野成樹
Alzheimer 病におけるグリア細胞のPET イメージング 安野史彦
【てんかん】
てんかん診療における核医学イメージングの実際 森本笑子・松田博史
焦点性てんかんにおけるEEG-fMRI の有用性 前澤 聡
【統合失調症】
fMRI による統合失調症の神経ネットワークの変化 木俊輔・橋英彦
統合失調症の神経生理学的な知見 平野羊嗣
脳機能画像を精神疾患臨床に応用する−統合失調症スペクトラムの近赤外線スペクトロスコピー 小池進介
【うつ病】
うつ病の脳機能イメージングと診断 岡田 剛・岡本泰昌
抑うつの認知バイアスの定量評価と脳イメージング 西村春輝・山田真希子
【不安障害】
不安障害の脳形態とfMRI を用いた脳機能イメージング 肥田道彦
強迫症の脳機能イメージング 酒井雄希
【発達障害,学習障害】
注意欠如・多動症(ADHD)の脳機能イメージング−最新の知見 岡田 俊
愛着障害の脳機能イメージング 友田明美
マルチモダリティ脳画像解析とオキシトシンを応用した自閉スペクトラム症中核症状に対する治療薬開発 山末英典
発達性ディスレクシアのfMRI 研究 浅野孝平
【疼痛】
慢性疼痛(線維筋痛症)の脳機能イメージング 臼井千恵
【治療,薬効評価】
うつ病の認知行動療法の脳機能イメージング 片山奈理子
PET による抗精神病薬の評価 舘野 周
PET による抗うつ薬の評価 荒川亮介
脳機能イメージングによる興奮薬とドーピング効果の評価 大久保善朗
サイドメモ目次
MRI の原理
高磁場化の理由
Warburg 効果
ASL の原理
[11C]PBB3/[18F]PM-PBB3
神経活動の指標としての血流とブドウ糖代謝
限局性皮質形成異常(focal cortical dysplasia)とは
Default mode network(DMN)
コネクトーム
語流暢性課題
うつ病と反芻思考
抑うつの次元モデル
自閉スペクトラム症(自閉症スペクトラム障害;ASD)
オキシトシン
DCM(dynamic causal modelling)
MVPA(multi-voxel pattern analysis)
[18F]FMeNER-D2 の開発
トラマドールの抗うつ効果
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