ここまでわかった言語発達障害
理論から実践まで
- 総頁数:160頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2011年3月
- ISBN978-4-263-21370-4
- 注文コード:213700
●子どもを見抜く洞察力・創造力・技術力が求められる言語問題
内容紹介
●SLI(特異的言語発達障害)の研究視点がさまざまな方向に広がっていることを取り上げた原著『Understanding Developmental Language Disorders:From theory to practice』の抄訳本.
●さまざまな方向とは.遺伝学的,神経学的研究による原因解明や,自閉症やディスレキシアなどの発達障害との鑑別がどこまで進んでいるか,言語発達障害児の文法の問題に対してどのような指導法があり,その効果についてどこまで科学的な根拠が示されているか,言語発達障害児にリテラシーの問題が生じやすいが,幼児期からの言語指導や並行して行う語彙指導がリテラシーの指導効果にどのように影響するか等々.
●言語の問題があるといっても,子どもによってさまざまに異なるため,問題の背景を見抜く深い洞察力,子どもを伸ばす豊かな創造力,それらを可能にする高い技術力が,言語聴覚士には求められている.また,それだけに言語発達障害児の評価や指導に携わることが,これまで以上にやりがいのある仕事であることがわかる.
●日本におけるこれからの言語発達障害児の研究や臨床に寄与するところ大であり,言語発達障害児の評価や指導に携わる言語聴覚士にとっては必携の書.
目次
第2章 言語発達障害児の短期記憶の問題
第3章 MRIを用いた言語発達障害の研究
第4章 SLI,ディスレキシア,自閉症の遺伝学からみた関係
第5章 青年期のSLIにみられる多様性
第6章 SLIの文法スキルの指導法
第7章 言語学習障害児の読み指導
第8章 語用性言語発達障害児の評価と指導
第9章 発達障害のリスクと診断
著者所属/略歴 ※本書が刊行された当時のものです.現在とは異なる場合があります.
田中裕美子【たなかゆみこ】
1995年 米国コロラド大学大学院博士課程修了,言語病理学 Ph.D取得
2001年 国際医療福祉大学保健学部言語聴覚学科准教授
2009年 大阪芸術大学短期大学部保育学科准教授
2010年 大阪芸術大学初等芸術教育学科教授
専門:特異的言語発達障害,言語学習障害,読み書き障害,バイリンガルと発達障害など
主要著書:特異的言語発達障害(発達期言語コミュニケーション障害の新しい視点と介入理論,笹沼澄子編,医学書院,2007),特異的言語発達障害(<標準言語聴覚障害学>藤田郁代監修,言語発達障害,玉井ふみ・深浦順一編,医学書院,2010),言語学習障害(よくわかる言語発達,岩立志津夫・小椋たみ子編,ミネルヴァ書房,2005)など.