126巻6号 2015年5月25日 p.908-914
|
![]() |
栄養療法のピットフォール−よりよい栄養ケアのために | ![]() |
終末期栄養管理のピットフォール
カレスサッポロ時計台記念病院 緩和ケアセンター
児玉佳之 ![]() |
![]() |
![]() |
はじめに | ![]() |
終末期患者は,徐々にエネルギー不足と代謝異常(悪液質)などから高度の栄養不良となり,誤嚥性肺炎やカテーテル敗血症など栄養管理にかかわる合併症を起こしやすくなる.そのため,終末期には栄養管理の合併症で予後を短くすることなく,QOL を維持・向上できるように,栄養サポートチーム(nutrition support team:NST)の知識を最大限にいかした栄養管理が重要となる.さらに,終末期には緩和ケアの考え方を取り入れる必要がある.WHO(世界保健機関)では「緩和ケアとは,生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して,痛みやその他の身体的問題,心理社会的問題,スピリチュアルな問題を早期に発見し,的確なアセスメントと対処(治療・処置)を行うことによって,苦しみを予防し,和らげることで,生活の質(quality of life:QOL)を改善するアプローチである」(2002 年)と定義している.終末期には,栄養管理を実施しても次第に栄養状態改善の余地がなくなるため,治療・維持期の栄養管理と比べ,患者・家族のQOL を考慮した栄養治療と栄養ケアが重要となる.……(雑誌本文は続きます)
![]() |
![]() |
126巻6号 2015年5月25日
月刊(B5判,210頁) 発行時参考価格 2,800円 注文コード:740860 雑誌コード:09320-05 |
![]() |
|
![]() |