「脳腸相関」の最新知見から,腸内フローラの改善と健康の鍵を握る「栄養・食」を考える
内容紹介
●「脳腸相関」とは,脳と腸の間では,自律神経,ホルモン,サイトカインなどの情報伝達系を介し,双方向的に影響を及ぼし合っていることを表す概念である.
●この脳と腸の相関において,腸内細菌叢が大きな役割を示すことが明らかになりつつあり,腸内細菌叢(腸内フローラ)の破綻,すなわちディスバイオシスがさまざまな疾患に関与することが報告されてきている.
●腸内環境の改善や,それを通した健康の維持に,食を含めた栄養因子によるアプローチは不可欠であり,本書では,進展著しい脳腸相関の研究分野の最新の成果を,とくに「栄養・食」にクローズアップして整理した.
目次
Part 1 脳腸相関総論
1.脳腸相関とは(内藤裕二)
2.腸管免疫システムの基本(内山和彦)
3.腸内細菌叢のライフステージにおける変化(内藤裕二)
Part 2 脳腸相関と疾患
1.過敏性腸症候群(鎌田和浩)
2.機能性ディスペプシア(森 英毅・鈴木秀和)
3.肥満・メタボリックシンドローム(乾 明夫・小林由基・河辺ももこ・黒田英志・宇都(鮫島)奈々美)
4.うつ(須藤信行)
5.神経発達症(三上克央)
6.摂食障害(安宅弘司)
7.認知機能障害(佐治直樹)
8.慢性便秘症(木智久・内藤裕二)
9.睡眠障害(小川雪乃)
10.アトピー性皮膚炎,食物アレルギー(下条直樹)
Part 3 脳腸相関と食・栄養
1.消化管の味覚センサー(味覚受容体)(石田雄介)
2.食物繊維(木智久・内藤裕二)
3.発酵食品―麹発酵食品中のペプチドを中心に(佐藤健司)
4.ポリフェノール(越阪部奈緒美)
5.カテキン(茶山和敏)
6.カロテノイド(岸本良美)
7.プロバイオティクスと健康(稲垣直樹)
8.野菜・フルーツ摂取と認知機能(吉田大悟)
9.低FODMAP食(本郷仁志・谷村美和)
10.健康長寿食としての日本食と腸内細菌叢(安田剛士・木智久・内藤裕二)
11.地中海食(功刀 浩)
12.抗疲労食(渡辺恭良・水野 敬)
13.持続可能な健康な食(内藤裕二)
Part 4 脳腸相関最新TOPICS
1.穀類β-グルカンと脳腸相関(青江誠一郎)
2.エンテロタイプと脳腸相関(木智久・井上 亮・内藤裕二)
3.ポリアミンと脳腸相関(内藤裕二)
4.時間栄養学と脳腸相関(田原 優)
5.軽度不調とは?(西平 順)
Side Memo
抗肥満薬ガイドライン(米国消化器病学会)
睡眠の分類
有郭乳頭,葉状乳頭,茸状乳頭の役割は?
孤束核の味覚地図?
味覚受容体の発見の歴史と辛味受容体の発見
海藻を消化できる腸内細菌は,日本人にはあるが米国人にはない?
すごく冷たいと痛いと感じるのは?
香辛料や温度,噛み応えも大事!
食物繊維について
地中海式食事は日本人にもよいか?
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