126巻6号 2015年5月25日 p.762-767
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栄養療法のピットフォール−よりよい栄養ケアのために | ![]() |
病態別経腸栄養剤の効果は?
福井県立病院 内科
栗山とよ子 ![]() |
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はじめに | ![]() |
わが国において,経腸栄養剤は現在200 種類以上が発売されている.各栄養素を標準量含む標準組成の製品だけではなく,多種多様な工夫をした製品が各社から発売され,患者の状態に応じた選択がある程度可能になっている.また,各種疾患用とうたった,いわゆる「病態別栄養剤」も数種類が発売され,膨大過ぎる製品数のために使い分けに苦慮する場面もある.
一般には,標準組成の半消化態栄養剤が通常の食事にもっとも近く,また栄養治療効果も優れているため,原則として第一選択となる.実際,経腸栄養管理される患者の9 割以上が半消化態栄養剤で良好に管理できる. しかし,ある種の疾患では,特有の代謝異常によって栄養素の不均衡が生じ,標準組成の栄養剤では代謝状態や栄養状態を維持できないことがある.このような不均衡を予防あるいは是正するために,栄養素を調整した栄養剤が,いわゆる「病態別経腸栄養剤」である.ただし,肝不全用の一部を除いてこれらはすべて食品に分類されるため,正確には薬品のように効能効果を提示することはできない.またエビデンスレベルを満たすほどのRCT(無作為対照試験)は,現時点では乏しく,各社の説明や商品パンフレットを参考に,経験的に使用されているのが現状である. ここでは,@肝不全用経腸栄養剤,A糖尿病用経腸栄養剤,B腎臓病用経腸栄養剤,C呼吸不全用経腸栄養剤,Dがん患者用経腸栄養剤,E免疫調整栄養剤,の6 種類について,それぞれの栄養剤の特徴と効果,文献的根拠について概説する.……(雑誌本文は続きます) ![]() |
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126巻6号 2015年5月25日
月刊(B5判,210頁) 発行時参考価格 2,800円 注文コード:740860 雑誌コード:09320-05 |
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