126巻6号 2015年5月25日 p.739-744
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栄養療法のピットフォール−よりよい栄養ケアのために | ![]() |
生体電気インピーダンス(BIA)法による体組成分析
三重大学医学部附属病院 栄養管理部栄養指導管理室
原 なぎさ,岩田加壽子 ![]() |
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はじめに | ![]() |
体組成測定方法としては,重水希釈法,CT(computed tomography)法,DXA 法(二重X線吸収法)が臨床におけるゴールドスタンダードとなっているが,CT 法は放射線による被曝の問題とコスト高,重水希釈法やDXA 法は機械のコストが高く設置スペースも必要となる.生体電気インピーダンス(BIA:bioelectrical impedance analysis)法による身体組成測定は,簡便かつ非侵襲的であることから,集団検診や栄養評価に広く用いられている.しかし,臨床応用にあたってはその理論的な背景に十分留意する必要がある.
BIA 法は多数の交流電流を用いて細胞外水分量と細胞内水分量の情報を得ることで,徐脂肪量(FFM),体水分量(TBW)の測定が可能であるが,浮腫や腹水を有するような重症患者においては,測定精度に問題があるため,従来の単周波BIA 法よりも多周波BIA 法のほうが信頼性の高い値を得られる可能性がある.筆者らは栄養指導時の栄養評価の1 つとしてInBody社のInBody®720 等の4 種8 点接触型電極法を用いた体組成測定装置を使用しているが,これら体組成計は日常臨床においてより精度の高い身体組成評価法として期待されており,ESPEN のガイドラインにもその詳細が記されている. 最近,アジアにおけるサルコペニアの診断基準の1 つである筋量についてBIA 法で測定した四肢骨格筋量を身長の2 乗で割ったcut-off値(男性7.0 kg/m2,女性5.7 kg/m2)が示され,DEXA に代わる筋量測定方法としても注目されている. 本稿ではBIA 法の測定原理や,日常臨床における栄養管理での活用方法について,当院の成績と症例を示し述べる.……(雑誌本文は続きます) ![]() |
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126巻6号 2015年5月25日
月刊(B5判,210頁) 発行時参考価格 2,800円 注文コード:740860 雑誌コード:09320-05 |
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