123巻4号 2013年9月25日 p.542-546
|
![]() |
スキルアップ外来栄養食事指導 | ![]() |
(1)Prader-Willi症候群
大阪府立母子保健総合医療センター栄養管理室
西本裕紀子 ![]() |
![]() |
![]() |
疾患の特徴 | ![]() |
Prader-Willi 症候群(PWS)は,新生児期の筋緊張低下と,その後の視床下部下垂体系の異常による食欲亢進,肥満,低身長,性腺発育不全,および精神発達遅滞などを主徴とする先天性染色体異常症候群である.15 番染色体の一部の遺伝子機能不足が原因で発症し,出生児10,000 〜15,000人に1 人の割合でみられる.治療の基本は,早期発見により肥満発症および肥満による合併症を予防し,精神発達遅滞や性格的特徴を熟慮した療育をしていくことであり,包括的なアプローチが必要である.肥満の予防・治療にはヒト成長ホルモン治療が有効であるが,実施にあたり一定の基準があるため全例施行は困難である.食欲のコントロールが困難な知的発達遅滞をともなうPWS 児においても,幼少期から適切な栄養指導を継続することにより適量の食事をおいしく食べて「ごちそうさま」ができるように習慣づけることが可能であり,それが肥満予防に有用となる.……(雑誌本文は続きます)
![]() |