123巻4号 2013年9月25日 p.378-380
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スキルアップ外来栄養食事指導 | ![]() |
内科医(脂質異常症)の立場から
北海道医療大学個体差医療科学センター
岸本憲明 ![]() |
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特集にあたって | ![]() |
わが国の冠動脈疾患死亡率はほかの先進諸国と比して,きわめて低く推移している.その要因に食事の影響がある.多くの疫学調査において,わが国の食材を用いた,いわゆる“伝統的な日本食(The Japan Diet)”は冠動脈疾患の予防に有効であることが示されている.The JapanDiet では,おもに飽和脂肪酸を肉類(獣鳥),一価不飽和脂肪酸を肉類,魚類と植物油,n-6 系多価不飽和脂肪酸を植物油と大豆製品,n-3 系多価不飽和脂肪酸を海産物と植物から摂取している.肉類や卵類よりも魚類と大豆・大豆製品を多めに摂取し,脂肪酸を動脈硬化予防に適したバランスで摂取している.また,雑穀類や大麦と精白度の低い米類,果物類,野菜類,海藻類,緑茶を摂取することで,食物繊維やビタミン,ミネラル類を充足している.ただし,日本食の欠点は食塩摂取量過多であるため,減塩が必要である.減塩に留意した日本食型の食パターンでは,洋風型と比べて冠動脈疾患による死亡が約20%低いことも報告されている.……(雑誌本文は続きます)
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