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270巻2号 2019年7月13日
飛行機・新幹線内での医療−医療従事者の方はいらっしゃいますか?
はじめに
AYUMI 飛行機・新幹線内での医療──医療従事者の方はいらっしゃいますか? はじめに 下畑享良
  航空機内での医師のよび出しが増加している.その理由は乗客数が指数関数的に増加し,疾患を抱える乗客数も増加しているためである.航空路の約10%をカバーする調査において,2008〜2010年に11,920回の医学的緊急事態があったと報告されているが,これは約600フライトに1回,1時間に1〜2回の高頻度という計算になる1)
 航空機内はさまざまな疾患を発症しやすい.その理由は,機内は日常と環境が異なるためである.機外は著しく気圧が低いため,機内は海抜2,440mの状況になるよう加圧されている.ダルトン(Dalton)の法則により,低い気圧により酸素分圧も低下する.健常人には問題にならないが,何らかの素因を有する場合,低酸素血症が発症の誘因となる.その他,脱水,アルコール摂取,睡眠不足なども誘因となる.頻度の高い症状は失神で,頭痛や痙攣など脳神経内科領域の症状が多い1,2).次いで呼吸器症状や悪心・嘔吐がみられるが,循環器疾患や耳鼻咽喉科疾患も生じる.
 また,機内の医療に関連して押さえておくべき知識がある.@医師に決定権はなく,機長が機内における全責任を負うこと,Aクルーは心肺蘇生や除細動器などの医学的訓練を受けていること,B医師は地上医療相談サービスを利用できること,などである.機内で利用可能なemergency medical kitや薬剤の種類についても知っておく必要がある.
 そもそもアナウンスがあった場合,名乗り出るべきかどうかについても議論がある.名乗り出た場合にも,検査が困難な機内においてどのようなことに気をつけ,何を行うかについて学ぶ必要がある.
 本特集では,航空機・新幹線における医療に関して各診療科の立場から注意すべき疾患とその対応,持病を持つ患者が搭乗する場合に注意すべきことについて議論していただき,さらに法律問題や医師登録制度などについて最新情報を理解することをめざす.旅行バッグの荷物のひとつに加えていただければ幸いである.

1)Peterson DC et al. Outcomes of medical emergencies on commercial airline flights. N Engl J Med 2013;30;368:2075-83.
2)Martin-Gill C et al. In-flight medical emergencies:A review. JAMA 2018;320:2580-90.
目 次
高度1万メートルのドクターコール──乗客医師による医療支援……大越裕文
航空機と神経疾患……下畑享良
飛行機頭痛……根来清
航空機と呼吸器疾患……荒野直子
空路による海外渡航における循環器疾患患者への対応……舟橋紗耶華・永井利幸
航空性中耳炎と耳管機能……松野栄雄
新幹線乗車時に起こりうる症状・疾病──新幹線頭痛を含めて……伊藤泰広
航空機内での医療をめぐる法律問題……橋本雄太郎
航空機内における医療支援体制――ドクターコール:高度1万メートルでの急病人発生……錦野義宗
TOPICS
【腎臓内科学】
糖尿病性腎臓病の進展における2つのフルクトース代謝酵素の異なる役割……道家智仁・他 
【糖尿病・内分泌代謝学】
骨形成におけるSIRT7の役割……山縣和也 
【眼科学】
加齢黄斑変性とパキコロイド疾患との関係……山城健児 
連載
【医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及】
24.シミュレータを活用した医療安全教育……本保晃・徳嶺譲芳 
【健康寿命延伸に寄与する体力医学】
12.運動トレーニングによる高血圧改善の機序――中枢性機序を中心に……和気秀文・Gouraud Sabine 
フォーラム
【パリから見えるこの世界】
81.ハイデッガーによる人間存在,あるいは「真の人間に成る」とは……矢倉英隆 
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飛行機・新幹線内での医療
270巻2号 2019年7月13日
週刊(B5判,70頁)
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