医学のあゆみ
290巻6・7号
新規がん免疫療法としてのT−cell engagerの進歩と可能性
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年8月
- 注文コード:929007
- 雑誌コード:20473-8/17
内容紹介
・抗PD-1抗体などの免疫チェックポイント阻害薬(ICI)によりがん患者の予後は飛躍的に改善したが,すべての患者に効果があるわけではなく,新たな治療法の開発が求められてきた.
・T-cell engagerは,ICIとは異なる機序でT細胞を活性化してがん細胞を攻撃する新たな免疫療法であり,注目と期待を集めている.一方で,サイトカイン放出症候群や免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)など,従来の薬物療法やICIにはなかった特徴的な副作用が認められている.
・本特集では,T-cell engagerの治療開発の現状,副作用管理,今後の方向性について解説する.
目次
はじめに(吉田達哉)
T-cell engagerの作用機序および耐性機序(野村幸太郎・熊谷尚悟)
造血器腫瘍(白血病・悪性リンパ腫)に対するT-cell engagerの位置づけ(大地哲朗・棟方 理)
多発性骨髄腫治療における二重特異性抗体(飯田真介)
肺がん(特に小細胞肺がん)におけるT-cell engagerの可能性(赤松弘朗)
固形腫瘍におけるT-cell engagerの開発状況(佐藤 潤)
T-cell engagerに特徴的な副作用および毒性マネジメント(湯田淳一朗)
次世代T-cell engagerの可能性および開発の方向性(北野滋久)
TOPICS
免疫学 RelA変異によるインターフェロノパチー(森谷邦彦)
生化学・分子生物学 月面重力下におけるマウス下肢骨格筋の質的変化と量的変化(林 卓杜・他)
連載
臨床医のための微生物学講座(20)
リステリア菌とリステリア症(篠原 浩)
緩和医療のアップデート(15)
がん患者における泌尿器症状の緩和ケア:エビデンスアップデート(河原貴史)
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(7)
腸内細菌を自己として認識するγδT17細胞による宿主-腸内細菌共生関係構築(橋大輔)
FORUM
死を看取る─死因究明の場にて(21) 死因究明の実践(4)(大澤資樹)
次号の特集予告
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