医学のあゆみ
270巻12号
がんの多様性を司るがん間質のバイオロジー −新たな診断・治療法の創生につなぐ
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2019年9月
- 注文コード:927012
- 雑誌コード:20473-9/21
内容紹介
・日本では2019年6月から“がん遺伝子パネル検査”が公的医療保険の適用となり,いよいよがんゲノム医療の本格的開始となった.
がんは遺伝子病であり,その浸潤・転移能などの特性が知られている.
・がん組織では正常組織固有の“構造”が喪失し,その喪失具合と“がん”の悪性・進展具合は密接に関連している.がん細胞は種々の細胞や基質と相互作用し,自分に有利な環境を作り出していくと思われる.
・本特集では,がんの多様性をがん間質の視点から研究されている先生方に最新の研究データと考えをまとめていただく.がん間質の役割に興味を持つ機会になれば幸いである.
目次
はじめに 渡邉昌俊
CAFs のバイオロジー概論−CAFs のがん促進能,細胞多様性およびエピゲノム変異 目澤義弘・折茂 彰
がん関連線維芽細胞に依存した,がん細胞の浸潤機構 石井源一郎
がん細胞と線維芽細胞の物理的相互作用 加藤琢哉
前立腺がん治療反応性に関わる線維芽細胞の多様性 石井健一朗
がん抑制性機能を有するがん関連線維芽細胞の同定とその意義 榎本 篤
がんによる血液凝固に基づくがん間質形成 松村保広
がん間質を標的としたバイオ医薬品の創薬ターゲット探索 鎌田春彦
連載
医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及(30)
採血・静注シミュレータ 鈴木利哉
健康寿命延伸に寄与する体力医学(18)
糖尿病の予防・治療と運動・減量・食事療法−メリットとエビデンスの限界 勝川史憲
地域医療の将来展望(3)
行政とへき地・地域医療体制−これまで,そして今後に向けて 鎌村好孝
TOPICS
耳鼻咽喉科学 外科的気道確保の現在 齋藤康一郎
神経精神医学 5-HT2A受容体の構造から解明された 薬剤の受容体選択機構 島村達郎
臨床検査医学 標準採血法ガイドライン(GP4-A3)改訂のポイント 大西宏明
FORUM
最新の揮発性吸入麻酔薬デスフルラン−患者に優しい麻酔法 境 倫宏
【NEW】日本型セルフケアへのあゆみ(1) 健康と病気の情報を自ら知る 児玉龍彦
次号の特集予告
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