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276巻12号 2021年3月20日
ケトン体による生体制御
はじめに
AYUMI ケトン体による生体制御 はじめに 福原淳範・下村伊一郎
  ケトン体は脂肪酸酸化で生じたアセチルCoAから産生されるアセトン,アセト酢酸,3-ヒドロキシ酪酸の総称である.飢餓状態では脂肪組織から脂肪酸が放出され,肝臓で脂肪酸酸化を受けることでケトン体が産生される.そして,ケトン体は肝臓以外の臓器でアセチルCoAに再変換されることでエネルギー源として利用される.糖尿病診療においては,インスリン欠乏によってケトン体の血中濃度が上昇するケトアシドーシスが致命的な病態であることから,ケトン体自体が生体の危険信号であると誤解されることがある.実際には,ケトン体は飢餓状態で産生される重要なエネルギー源であり,ケトン体合成酵素であるHMGCS2欠損の症例では,飢餓や感染状態においてケトン体産生が障害されるため,非ケトン性低血糖による意識障害や痙攣をきたす.
 生体内では絶食/摂食,飢餓/飽食などの栄養状態の変化に応じて,糖や脂質,アミノ酸,ケトン体などのエネルギー基質の濃度がダイナミックに変化する.生体はこの変化に応じて,細胞増殖やタンパク合成を制御し,ATP産生に利用するエネルギー基質を切り替え,ミトコンドリアでの酸素消費を調整することで,生体恒常性が維持される.このような栄養状態の変化に応じた生体調節機構を解明するためには,エネルギー基質によるシグナル伝達機構の解明は重要な課題である.
 近年,ケトン体自体が受容体を活性化してシグナルを伝達することや,ヒストン修飾を介したエピジェネティックな遺伝子発現制御を行うこと,細胞内のシグナル因子を変化させることが報告されている.本特集では,エネルギー基質としての側面とシグナル因子としての側面から,ケトン体の生体制御に関する臨床的および基礎的研究の最新の知見を,第一線の先生方に紹介していただく.
目 次
ケトン体受容体による生体機能制御……北野隆司・他
ケトンによる概日リズム制御……村上真理
ケトン体と低酸素応答……武田憲彦
ケトン体による脂肪細胞機能制御……西谷重紀・他
ケトン体による腎機能制御……久米真司
ケトン体による心機能制御……有馬勇一郎・辻田賢一
ケトン体による心保護作用……長尾学・他
TOPICS
【臨床検査医学】
在宅医療と臨床検査――在宅臨床検査学……小谷和彦 
【神経精神医学】
認知症鑑別におけるドパミントランスポーターSPECT……松田博史 
【小児科学】
βアレスチンバイアスAT1受容体アゴニストは新しい乳幼児心不全治療薬の有力候補である……川岸裕幸・山田充彦 
連載
【臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学】
23.ヒト免疫研究の重要性……吉富啓之・上野英樹 
【この病気,何でしょう? 知っておくべき感染症】
はじめに……大西健児 
【原虫症】
1.マラリア(熱帯熱マラリアを見逃さない)……竹下望 
フォーラム
【病院建築への誘い――医療者と病院建築のかかわりを考える】
特別編―感染症対策と建築C……亀谷佳保里 
【天才の精神分析――病跡学(パトグラフィ)への誘い】
16.ジャン=ジャック・ルソー――子どもの発見……内海健 
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ケトン体による生体制御
276巻12号 2021年3月20日
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