医学のあゆみ
274巻10号
肥満 −外科治療と基礎研究の最新情報
9月第1土曜特集
- 総頁数:120頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年9月
- 注文コード:927410
- 雑誌コード:20471-9/5
内容紹介
・近年の肥満症分野での大きな発展は,肥満症の病態についての基礎研究と高度肥満症に対する外科的治療の進歩である.
・基礎研究の分野ではアディポネクチン受容体作動薬の開発,脂肪組織のリモデリングの分子的レベルでの解明,ベージュ脂肪細胞の研究の進歩,中枢を介したエネルギー代謝,肥満症に伴う諸臓器の障害のメカニズムについて次々と解明されてきた.
・肥満外科手術による減量はその急速かつ劇的な減量効果により,臨床的意義のみならず肥満症の病態生理にも新たな視点を与え,興味ある研究分野となっている.
目次
外科治療
肥満に対する外科治療の歴史 井上健太郎
肥満に対する外科治療のエビデンスと適応 山口 剛
日本における肥満外科手術の現状と展望 遠藤裕一・他
スリーブ状胃切除術の基礎研究−胃縮小効果以外の機序 宮崎安弘
消化管バイパス術の代謝改善メカニズムの基礎的研究 井本博文
肥満外科治療におけるチーム医療の必要性と各職種の役割 木村 穣
肥満に対する手術の実際 北浜誠一
わが国における肥満外科手術後の諸問題 大城崇司
肥満2型糖尿病に対する代謝手術(metabolic surgery)の展望 関 洋介・他
基礎研究
【褐色脂肪細胞と白色脂肪細胞】
褐色・白色脂肪細胞における転写制御と肥満治療 脇 裕典・山内敏正
ヒストン脱メチル化酵素による脂肪細胞の機能制御 稲垣 毅
褐色脂肪細胞におけるO-GlcNAc修飾の役割 大橋夏子・他
脂肪組織における代謝適応とリモデリング・線維化機構 長谷川 豊
【アディポネクチン受容体】
アディポネクチン受容体の構造と機能 岩部真人・他
【脂肪組織の間葉系幹細胞・前駆脂肪細胞の作用と制御】
アディポネクチンと間葉系幹細胞 喜多俊文・下村伊一郎
前駆脂肪細胞のニッチとしてのM2マクロファージ−見直されつつあるM2マクロファージ抗炎症作用説 戸邉一之・他
成熟脂肪組織および脂肪前駆細胞におけるインスリン/IGF1シグナルの役割 阪口雅司・他
【中枢を介した代謝調節】
糖代謝の制御を担う視床下部神経回路 近藤邦生
新規臓器間代謝情報ネットワーク機構の解明 浅井洋一郎・片桐秀樹
迷走神経を介した臓器連関と糖代謝 井上 啓・稲葉有香
【他臓器との関連】
肥満・炎症と腸内細菌叢 入江潤一郎・伊藤 裕
NASHの発症と脂肪組織との連関 藤田政道・他
DOHaD学説と肥満−DNAメチル化を介したエピゲノム記憶の関与 橋本貢士
マクロファージによる臓器間ネットワークの形成 大石由美子・真鍋一郎
薬剤による腸内細菌叢の変化と代謝への影響 藤坂志帆・他
肥満・糖尿病とサルコペニア−分子メカニズムを含めて 平田 悠・小川 渉
次号の特集予告
サイドメモ
Mini胃バイパス
スリーブバイパス
胆汁酸(BA)とFXR
コミュニケーションの重要性
Revision surgery(修正手術)
光遺伝学(Optogenetics)
化学遺伝学(Chemogenetics)
仮性狂犬病ウイルス(PRV)
糖代謝解析とグルコースクランプ法
Crown-like structure(CLS)
DOHaD学説とエピゲノム記憶
マクロファージの多様性
高エンドトキシン血症(metabolic endotoxemia)
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