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268巻9号 2019年3月2日
第1土曜特集遺伝性心血管疾患のすべて3月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 遺伝性心血管疾患のすべて はじめに 小室一成
  循環器疾患というと虚血性心疾患や高血圧などの疾患に代表されるように環境因子の影響が大きく,遺伝的な疾患は心筋症やQT延長症候群などに限られると考えられていたが,本特集では20もの疾患をあげた.
 そのなかには,遺伝子解析技術の進歩により新たな原因遺伝子が次々と同定されたものばかりでなく,今まで知られていた遺伝子変異が疾患発症の原因となっていることが明らかになったものも含まれている.その代表例が二次性心筋症におけるタイチンであろう.タイチンは巨大な分子であるため多くの変異が見つかっているが,その役割に関しては不明なことが多かった.しかし最近になり,周産期心筋症のようにその変異がベースにあると心不全を発症しやすいことがわかってきた.同じくらいの高血圧や頻脈でも,また同等量のアドリアマイシンでも心不全になる人とならない人がいるのは,遺伝的背景の違いであり,それがタイチン変異なのかもしれない.
 疾患の原因遺伝子が同定されると何がよいのか.これは昔からの問いであるが,その異常に基づいた治療に結びつくという可能性以外に,グループ化による治療(precision medicine)の可能性がある.がんではすでprecision medicineに基づいた診療が行われているが,循環器疾患でも重要となってこよう.最近著者らは,拡張型心筋症で一番多いタイチン変異の患者は予後がよく,通常の薬物治療で心機能が改善することもあるのに対し,二番目に多いラミン変異の患者は対照的に薬物治療に反応せず,ほとんどが致死的であることを明らかにした.この結果,タイチン変異の患者では通常の薬物治療を行えばよいのに対し,ラミン変異の患者の場合は薬物治療に拘泥することなく,早くから補助人工心臓や心臓移植を考慮すべきであるという一種のprecision medicineが可能となった.
 解析技術の進歩により新しい事実が次々と明らかになっており,遺伝子変異の同定は大きな意味を持つようになった.2000年ヒトゲノム計画によりすべてのゲノムが明らかになった際,これで医学が一気に進むと期待されたが,その期待は今になって現実化しつつある.
目 次
心筋疾患
肥大型心筋症……久保亨
蓄積性心筋症──心病変を伴う遺伝性蓄積疾患……尾上健児・斎藤能彦
拡張型心筋症の臨床的表現型を決定する遺伝的・非遺伝的要因……野村征太郎
筋ジストロフィー心筋症……森田啓行
周産期心筋症……神谷千津子
不整脈原性右室心筋症……大野聖子
左室心筋緻密化障害……廣野恵一
ミトコンドリア心筋症……武田充人
心アミロイドーシス……三隅洋平安東由喜雄
RASopathies(Noonan症候群と類縁疾患)……青木洋子・松原洋一
先天性心疾患
先天性心疾患……山岸敬幸・古道一樹
不整脈
心房細動の遺伝的考察……古川哲史
QT延長症候群──最新の診断と治療……清水渉
Brugada症候群の遺伝的背景……蒔田直昌
遺伝性徐脈性不整脈におけるゲノム医療へのアプローチ……朝野仁裕
血管疾患
Marfan症候群……森崎裕子
遺伝性胸部大動脈瘤・解離症……武田憲文
肺動脈性肺高血圧症における遺伝学的知見の現状……片岡雅晴・蒲生忍
その他
早発性冠動脈硬化症の主要な原疾患としての家族性高コレステロール血症……多田隼人
遺伝性血栓性素因……森下英理子
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遺伝性心血管疾患のすべて
268巻9号 2019年3月2日
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