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267巻13号 2018年12月29日
第5土曜特集蛋白質代謝医学――構造・機能の研究から臨床応用まで
はじめに
第5土曜特集 蛋白質代謝医学――構造・機能の研究から臨床応用まで はじめに 田中啓二
  蛋白質は生体を構成する主要成分であるとともに,生命現象を支える最も重要な機能素子である.その蛋白質の動作原理は遺伝子に刻印されている.そして遺伝子は生物情報の継承と分子進化の原動力である.遺伝子と蛋白質の関係を演劇にたとえると,前者は筋書きをつくる作家であり,後者は舞台で演ずる役者である.筋書きのよい物語でなければ,そして優れた役者が舞台に立たなければ,演劇は成功しないので,両者は不可分の関係にある.
 生命を紡ぐ蛋白質の数は,翻訳後修飾を考えると遺伝子の総数をはるかに凌駕して膨大な数に上る.したがって,“蛋白質代謝医学”と限定しても,取り上げる蛋白質を40個前後に絞り込む作業は,容易ではない.そこで編者の特権として,編者の興味の赴くままに執筆していただく蛋白質を選ぶことにした.とはいっても,無差別に取捨選択するのでは興味が半減する.そこで,“蛋白質の一生”をキーワードに,蛋白質の合成・成熟・輸送・分解に深く関わる蛋白質を中心に選別した.あわせて,蛋白質の品質管理と,その破綻で引き起こされる疾病に関連した分子についても,適宜拾い集めることにした.
 遺伝子の変異・欠失・増幅などは,顕性・潜性の遺伝疾患を引き起こす一方,遺伝子が正常であっても,環境ストレスなどが原因となって発症するさまざまな疾病も存在する.すなわち,すべての病気は蛋白質の量的・質的な不全に起因するといっても過言ではない.一方,細胞には蛋白質の異常を感知,その累積を回避して健全性を維持しようとする巧妙な仕組みも存在する.
 本特集号では,これらについての最新の話題とともに,蛋白質の動態を制御する技術の創出など,次世代の創薬に関係するトピックスにも言及することにした.取り上げた個々の蛋白質の面白さを理解することによって生命の謎に迫ることを企図したので,存分に楽しんでいただきたい.
目 次
蛋白質の一生(揺籠から墓場まで)
【合成(誕生)】
クロマチンによるエピジェネティックな転写制御……胡桃坂仁志・鯨井智也
エピジェネティクスと蛋白質生合成の制御……阿部周策・佐々木裕之
翻訳システム……杉本(永池)崇・上田卓也
リボソーム機能欠損と生合成エラーによる疾患発症メカニズム――遺伝子発現の中心装置としてのリボソームの新規機能……稲田利文
新生鎖の生物学――翻訳途上の新生ポリペプチド鎖が積極的に関与する生命現象……田口英樹
【成熟(フォールディング)】
熱ショック応答によるプロテオスタシス制御と老化関連疾患……藤本充章・中井彰
フォールディングからミスフォールディングへ――Anfinsenのドグマからアミロイド形成……後藤祐児
シャペロニン……元島史尋・吉田賢右
Hsp47(コラーゲン特異的分子シャペロン)──線維化疾患治療の標的因子として……伊藤進也・永田和宏
集合シャペロンを介したプロテアソーム形成機構……佐藤匡史・加藤晃一
天然変性蛋白質――蛋白質の構造・機能研究の新しいターゲット……佐藤衛
【輸送(細胞内物流システム)】
蛋白質の居場所決定における生体膜への組込み……伊藤維昭
核-細胞質間蛋白質輸送と創薬研究……宮本洋一・米田悦啓
小胞体膜への蛋白質の標的化──蛋白質の個性に応じた輸送経路……大古殿美加・河野憲二
ミトコンドリアへの蛋白質移行……遠藤斗志也・井澤俊明
ペルオキシソームの形成と分解を基盤とした恒常性制御機構……奥本寛治・藤木幸夫
【分解(死)】
多様化するユビキチンコード……佐々木克博・岩井一宏
プロテアソームの機能と疾患……渡邊綾香・他
カルパインファミリーは個性派揃い……秦勝志・小野弥子
カスパーゼによる細胞死実行機構……三浦正幸
オートファゴソーム形成の分子機構……野田展生
オートファジーの生理的機能……江口智也・水島昇
p62を介した選択的オートファジー……一村義信・小松雅明
小胞体ストレス応答とゴルジ体ストレス応答……佐々木桂奈江・吉田秀郎
蛋白質品質管理のための小胞体関連分解……潮田亮
蛋白質分解経路のキープレーヤーp97/Cdc48……小椋光・江崎雅俊
蛋白質の品質管理とその制御
膜/分泌蛋白質の生合成プロセスを監視するプレエンティブ品質管理……川原裕之
マイトファジー――PINK1とParkinによるミトコンドリア蛋白質の品質管理……松田憲之・山野晃史
ERファジー――オートファジーによる小胞体の選択的分解……中戸川仁
標的蛋白質の分解を誘導するハイブリッド化合物SNIPERsとPROTACs……柴田識人・内藤幹彦
セレブロンモジュレーター……伊藤拓水・半田宏
生体分子の液-液相分離……佐伯泰
生理病態学と関係する蛋白質の動作原理
ユビキチンリガーゼが関与する疾患……畠山鎮次
脱ユビキチン化酵素(DUB)と疾患……徳永文稔
ミステリン――もやもや病の責任遺伝子産物……森戸大介
シャペロンによるプリオン凝集体の形成と伝播の制御……中川幸姫・田中元雅
神経変性疾患の原因となる蛋白質……長谷川成人
異物排出蛋白質――すべてがマルチなマルチドラッグ排出蛋白質……山口明人
細胞周期制御のキー蛋白質……中山省悟・中山敬一
細胞死制御のキー蛋白質……進藤綾大・中野裕康
p16からみた細胞老化――加齢性疾患の予防・治療に向けたsenolytic薬の発展……渡邉すぎ子・原英二
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蛋白質代謝医学――構造・機能の研究から臨床応用まで
267巻13号 2018年12月29日
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