内容紹介
・生体イメージングを支える光学技術や,見たい対象・現象を可視化するためのプローブ技術,見た現象から情報を抽出するための画像解析技術などにおいて絶え間なく多角的な技術革新が進められた.
・こうした技術革新により“見えなかったものが見えるようになる”ことで,神経,免疫,がんなどをはじめ,多種多様な生命現象の本質が解明されて,生体イメージング分野はここ十年で最も前進した分野の一つとなった.
・本特集では,生体イメージングの最新の技術開発から,それらを駆使した最先端の生命科学研究(基礎から臨床まで)を網羅されており,各分野のトップ研究者による執筆で,重厚感のある一冊となっている.
目次
技術・機器の進歩
光学顕微鏡を用いた生体蛍光イメージング技術の進歩(坂本 丞・他)
広視野二光子励起ライトシート顕微鏡による生物個体のライブイメージング(齋藤 卓・他)
マウス生体内イメージングに向けたツール開発(寺井健太・松田道行)
蛍光タンパク質プローブによる細胞間相互作用の可視化(京 卓志・他)
生命機能を可視化するさまざまな化学蛍光プローブ(蓑島維文・菊地和也)
イメージングで神経活動を解析する
イメージングを駆使したシナプス情報伝達の解明(柏木有太郎・岡部繁男)
広視野高速二光子励起顕微鏡FASHIO-2PMによる大脳皮質ネットワークのin vivoイメージング(太田桂輔・村山正宜)
成体脳で新生するニューロンが,睡眠中に恐怖記憶を固定化する(菅谷佑樹・坂口昌徳)
発達期の樹状突起刈り込みを制御するシナプス競合のメカニズム(藤本聡志・今井 猛)
神経回路機能解析のための細胞種特異的な標識と光学イメージング(竹内遼介・小坂田文隆)
シナプスイメージングを基軸とした精神病態の多階層理解(林(高木)朗子)
ホログラフィック光学技術を駆使した神経回路研究(和氣弘明・他)
イメージングで免疫系や生体恒常性を解析する
骨・免疫系の生体イメージング研究(佐藤和真・他)
皮膚の生体イメージング研究(江川形平・椛島健治)
蛍光イメージングにより明かされるリンパ節の動的細密構造(片貝智哉)
光変換蛍光タンパク質発現マウスを用いたin situ光ラベルを駆使した新規免疫学研究アプローチ(戸村道夫)
腸管免疫の生体イメージング(筋野智久)
腸内炎症と好中球/マクロファージのイメージング解析(本田正樹)
臓器内“zone”による空間的に不均一な免疫制御(宮本 佑)
血管・血栓形成のイメージング(坂田飛鳥)
生体イメージングを用いた腎疾患の病態解析(角谷裕之)
呼吸器系感染症の生体イメージング─二光子生体イメージングでみるウイルス感染肺(植木紘史・河岡義裕)
新規解析・診断技術の動向
生体イメージングの画像解析(瀬尾茂人・長村 徹)
生体イメージングとシングルセルオミックスの統合解析(内田 穣)
生体イメージング技術を用いた切らないがん組織診断(松井崇浩)
生体イメージングによる切らない皮膚診断(江川形平)
“蛍光ガイド手術”はすでに実現している(石沢武彰・他)
次号の特集予告
サイドメモ
In vivoイメージング
超解像イメージング
スケールフリーネットワーク/スモールワールドネットワーク
新生ニューロンの睡眠時の活動
僧帽細胞の主樹状突起を選択的に強化する分子機構
接触皮膚炎と遅延型過敏反応
KaedeとKikGRの光変換条件と注意点
腸管イメージングにおける共焦点顕微鏡と二光子励起顕微鏡の特性
医用画像情報学とバイオイメージインフォマティクス
空間トランスクリプトーム
UMAP
第二次高調波発生(SHG)
ISFGSおよび日本蛍光ガイド手術研究会の設立
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