122巻6号 2013年5月25日 p.831-838
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脂質異常症UPDATE2013 | ![]() |
脂肪酸摂取の臨床的エビデンス
東京慈恵会医科大学 内科
附属柏病院 総合診療部 多田紀夫 ![]() |
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はじめに | ![]() |
脂肪酸は連なる炭化水素の末端に1 個のカルボン酸が結合した形態[CH3(R)-COOH]をなし,炭素数2〜4 個のものは短鎖脂肪酸,5〜11 個のものは中鎖脂肪酸,12 個以上の炭素数のものは長鎖脂肪酸とよばれる.脂肪酸は遊離型のままでアルブミンと結合して血中を流れる以外,多くの脂肪酸は脂肪の要素としてコレステリルエステル(CE),トリグリセライド(TG),リン脂質(PL)といった血清脂質を形づくる.そして,糖と同様にエネルギー源として,生体に利用される.糖からのエネルギー産生には酸素が必要とされるが,脂肪酸からは嫌気的状況下においてもエネルギーの供給が可能となる.生体にとって過剰となった脂肪酸は,グリセロールと結合してTG としていったん脂肪細胞などに貯蔵される.そして,必要に応じて脂肪蓄積細胞に存在するホルモン感受性リパーゼの働きで脂肪酸は放出され,ふたたびエネルギー源として利用される.
脂肪酸はこのようにエネルギー源として生体に利用されるだけではなく,PL として細胞膜の一部となり,細胞の機能に関与し,プロスタグランジンなどさまざまな生体制御機構に関与する物質の前駆物質ともなり,また,とくに長鎖脂肪酸はperoxisome proliferator-activated receptor(PPAR)などの核内受容体の活性化を通して,あるいはsterol regulatory element bindingprotein-1(SREBP-1)を介して脂質代謝を制御する.……(雑誌本文は続きます) ![]() |
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122巻6号 2013年5月25日
月刊(B5判,228頁) 発行時参考価格 2,700円 注文コード:740820 雑誌コード:09320-05 |
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