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120巻6号 2012年5月25日 p.672-678
 腸管と免疫・栄養−腸内細菌から疾患を理解する  
脳腸相関
九州大学大学院医学研究院 心身医学
須藤信行
キーワード  ストレス,腸内細菌,行動特性
はじめに  
 近年,末梢器官と中枢神経系の間の相互作用が注目されている.とくに脳と腸との関連については研究がすすんでおり,“脳腸相関”とよばれている.つまり脳と腸とは,共通する液性因子(ホルモン,サイトカイン)や自律神経系の作用を介して双方向的な情報伝達を行っているというわけである.たとえば,腸内で生じたさまざまな生理的,病理的変化は,これらの経路を介して中枢神経系へ伝達され,その情報処理過程に影響する,ということになる.
 いっぽう,生体は胎内感染などの特殊な要因がない限り,無菌の状態で出生する.その後すみやかに,母体および周囲環境より細菌が定着し,いわゆる常在細菌叢を形成していく.こうして構築された常在細菌叢は,体表面積の95%以上を占める広大な粘膜面を介して生体と接触しており,その細菌数は成人で1014個,重量にして1 kg にも相当するとされている.これら常在細菌は宿主と緊密な共生関係を形成しており,抗原刺激をたえず供給することにより免疫機能の発達を促すとともに他のさまざまな生理機能の発現にも深く関与している.
 筆者らは,生直後より定着してくる常在細菌叢は宿主にとって重要な外界因子の1 つであることから,“腸内フローラは神経系の発達や機能にも深く関与している”,という作業仮説を立て,さまざまな人口菌叢マウスを作製し,その視床下部−下垂体−副腎軸 (hypothalamic-pituitary-adrenal axis: HPA axis)の反応性をGF マウスと比較,検討した.その結果,腸内フローラはHPA axis の反応性を決定する重要な環境因子の1 つであることを明らかにした.これらの実験結果は,以下に詳述するようにストレスが腸内フローラの構成へ影響する要因の1 つであることを考え合わせると,腸内フローラと脳との関連も双方向的であり,“脳腸相関”の一翼を担っていることを示唆している.
 本稿では,最近,注目を集めている腸内フローラと脳との関係を中心に,“脳腸相関”の観点から概説する.……(雑誌本文は続きます)
 腸管と免疫・栄養−腸内細菌から疾患を理解する 脳腸相関 須藤信行
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腸管と免疫・栄養
120巻6号 2012年5月25日
月刊(B5判,172頁)
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