医学のあゆみ
281巻9号
腫瘍と糖鎖 −糖鎖の基礎研究から腫瘍の分子標的同定に向けて
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2022年5月
- 注文コード:928109
- 雑誌コード:20474-5/28
内容紹介
・糖鎖は腫瘍細胞の発生から進展,転移に関わり,さらには化学療法や放射線療法でみられる耐性の過程においても,重要な役割を果たしている.
・糖鎖あるいは糖鎖の改変や誘導体などを利用したがんなどの治療については,core fucoseを除去したADCC(抗体依存性細胞所外活性)の活性化を利用した薬剤や,接着分子の阻害薬などが開発されている.
・今後さらに,分子標的治療の応用についての発展が期待される.現在,がん治療でのトピックスのひとつである免疫チェックポイント阻害薬への糖鎖の応用や糖鎖抗体などを用いた治療法の開発も期待できよう.
目次
はじめに
谷口直之
がんとシアル酸重合体
佐藤ちひろ
N−結合型糖鎖による細胞接着と上皮間葉転換(EMT)の制御
顧 建国
細胞膜受容体と糖鎖
高橋素子
細胞外小胞の糖鎖情報からみえてきたがんとの関連
原田陽一郎
がんにおけるルイス糖鎖の生物学的機能
福岡智哉・他
腫瘍とコンドロイチン硫酸
灘中里美・北川裕之
がんや前がん病変におけるヘパラン硫酸およびケラタン硫酸の機能
大川祐樹
免疫チェックポイント分子としてのSiglecファミリーとその腫瘍免疫への関与
安形高志
レクチン融合薬を用いた糖鎖標的がん治療戦略
下村 治・他
連載
COVID-19診療の最前線から−現場の医師による報告(20)
呼吸療法−酸素療法,非侵襲的換気,リハビリテーション
大山慶介
バイオインフォマティクスの世界(9)
疾患ゲノム解析II:GWAS解析
重水大智
TOPICS
小児科学 妊娠期の喫煙・生後の受動喫煙と子の喘息罹患との関連
吉田都美
免疫学 STINGリガンドと抗CD47抗体の併用によるがん免疫療法
大栗敬幸・他
医療行政 医薬品副作用被害救済制度の現状と課題
山田和男・他
FORUM
中毒にご用心−身近にある危険植物・動物(13) 巻貝(テトラミン,テトロドトキシン)−見た目だけで有毒か無毒かを見分けることは困難
新田正和
次号の特集予告
電子版の購入
以下のウェブサイトで論文単位の購入が可能です.
※リンク先は医歯薬出版株式会社のウェブサイトではありません.利用方法等は各ウェブサイトへお問い合わせください.