医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 第1土曜特集号
272巻10号 2020年3月7日
第1土曜特集間葉系幹細胞の基礎と臨床応用3月第1土曜特集
はじめに
第1土曜特集 間葉系幹細胞の基礎と臨床応用 はじめに 戸邉一之・梅澤明弘
  間葉系幹細胞は骨髄,筋,皮膚,脂肪,臍帯組織,歯髄や歯周組織といったさまざまな体組織でその存在が確認されている.また,間質細胞は臓器の結合組織の細胞であり,子宮内膜,前立腺,骨髄前駆細胞,卵巣だけでなく,造血系にも存在する.そのような意味で,間葉系幹細胞は生物学的な存在の大きさのみならず,生体における大きな臓器ともいえる.間葉系幹細胞は基質のリモデリングなど,組織の恒常性維持に関与し,生体組織の支持構造を構成し,実質細胞を支える.この支持機能は体内においても試験管内においても確認され,サイトカインおよび膜分子を介した細胞間相互作用による.実質細胞への支持機能とともに,免疫調節機能を有し,炎症性腸疾患および移植片対宿主病(graft versus host disease:GVHD)の治療薬として開発が進んでいる.神経系障害への回復を薬効とした間葉系幹細胞を主成分とする再生医療製品も開発された.
 このように,間葉系幹細胞が再生医療製品として利用される背景には,試験管内にて強い増殖能を示し自己複製能を有することがある.自己複製した間葉系幹細胞においても,造血幹細胞で示されるような多分化能を保持する.すなわち,骨,軟骨,脂肪,骨格筋,心臓を含むさまざまな中胚葉組織へ分化する.さらに,注目されていることとして,脂肪細胞様の間葉系幹細胞が骨格筋などにも存在し,間葉系幹細胞での長寿遺伝子の活性化は,サルコペニアなどの骨格筋での筋力低下や筋肉量の低下を予防することが知られる.間葉系幹細胞と代謝との関与が注目され,肥満から糖尿病に至る段階として“インスリン抵抗性”の状態があり,間葉系幹細胞をターゲットとした治療を行うことができる.このように,間葉系幹細胞に関わる医療は代謝から再生医療まで貢献する可能性があり,日常生活の質の向上はもちろん,保健・医療・経済の観点からもその価値は高い.
 今回は,基礎的側面から臨床応用に至るまでの,間葉系幹細胞の生物学および医学を特集する.
目 次
間葉系幹細胞とは
間葉系幹細胞マーカーの生物学的意義の理解と機能解析……榎本篤
間葉系幹細胞の起源と分化……江良択実
間葉系細胞における糖鎖構造とその機能……豊田雅士
さまざまな組織の間葉系幹細胞
皮膚に関連する間葉系幹細胞……井家益和
臍帯由来間葉系細胞……長村登紀子
肝における非実質細胞……木戸丈友・宮島篤
毛包基部の間葉系細胞……大河内仁志
M2マクロファージと前駆脂肪細胞数の調節メカニズム……桑野剛英・戸邉一之
ヒト多能性幹細胞に由来する間質細胞を用いたオルガノイド形成……陳俊龍・他
疾患治療
脂肪由来幹細胞を用いた腎炎の治療……田中章仁・他
他家脂肪組織由来間葉系幹細胞投与療法の開発……寺井崇二・土屋淳紀
骨髄由来間葉系幹細胞を用いたGVHD治療……加藤元博
間葉系幹細胞を用いた脳・脊髄病変に対する再生医療・細胞治療……川堀真人・寳金清博
炎症細胞と間質細胞を介したがん進展……川副徹郎・谷口浩二
近視と間葉系幹細胞――関係性のエビデンスから未来の進行予防へ……世古裕子
トピック
間葉系幹細胞研究を変えつつある人工知能……柴田眞侑・他
遺伝子細胞治療における間葉系幹細胞の利用……宮川世志幸
コンパニオンアニマル再生医療における間葉系幹細胞――自験例を中心に……関谷麻杜・他
間葉系幹細胞を商品化するにあたって
不均一性の評価――ヒトMSC加工製品(ヒト間葉系幹細胞加工製品/ヒト間葉系間質細胞加工製品)の品質管理にかかる課題……田埜慶子・佐藤陽治
研究用間葉系幹細胞の入手と利用……小原有弘
世界における間葉系幹細胞利用製品の開発動向――ClinicalTrials.govに登録された臨床試験の分析より……草川森士・佐藤陽治
再生医療のためのヒト間葉系幹細胞の安定供給……中村和昭
週刊「医学のあゆみ」のご注文
間葉系幹細胞の基礎と臨床応用
272巻10号 2020年3月7日
週刊(B5判,120頁)
定価 2,860円(本体 2,600円+税10%)
注文コード:927210
雑誌コード:20471-3/7
買い物カゴへ追加
買い物カゴを見る
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2020 Ishiyaku Pub,Inc.