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270巻7号 2019年8月17日
てんかん:診断と治療の現在
はじめに
AYUMI てんかん:診断と治療の現在 はじめに 松本理器
  てんかんは,脳神経系の代表的なcommon diseaseであり,わが国には人口の約0.8%にあたる約100万人の患者がいる.その原因は多岐にわたり,小児期発症の特有なてんかん症候群のほか,周産期脳障害,海馬硬化症,皮質形成異常,腫瘍,感染,頭部外傷,遺伝性のチャネル病などが知られてきた.てんかんは,従来は小児に多い疾患と捉えられていたが,超高齢社会となり高齢発症のてんかんが急増し,発病率は小児と高齢者に二峰性のピークをもつU字型に変容した.高齢発症のてんかんでは,脳卒中や認知症が原因で大脳皮質細胞が障害され症候性部分(焦点)てんかんが発症するが,依然約半数は原因が不明である.
 2010年代から自己免疫介在性の部分(焦点)てんかんの存在が明らかとなり,国際抗てんかん連盟(ILAE)の新てんかん症候群分類(2017)でも,てんかんの病因のひとつに“免疫(immune)”がはじめて取り上げられ,免疫療法で治療できる病態として注目される.
 診断面の進歩としては,デジタル脳波計を用いた持続脳波モニタリングの発展や,発作時脳波変化の体系化から意識障害患者のなかに紛れ込む,けいれんを伴わない“非けいれん性”てんかん重積状態の診断が迅速に可能となり,神経救急現場での抗てんかん薬の静脈注射による治療が進んだ.
 令和元年(2019)の現在,20世紀から使用できた,いわゆる従来薬に加え,21世紀に入り上市された新規抗てんかん薬が多数使用できる時代になり,最新のてんかん診療ガイドライン2018では,薬剤治療の第一選択肢として取り上げられる薬剤も出てきた.このような内科治療で,約7割の患者は発作が抑制されるが,残り約3割は薬剤抵抗性の難治性てんかんと位置づけられる.近年,てんかん専門診療施設が整備され,最新の生理・画像検査を取り入れた術前評価から,てんかん焦点摘出術やデバイスを用いた緩和療法といったてんかん外科治療が積極的に行われるようになってきた.
 今回の特集では,令和元年を迎えた現在のてんかんの診断と治療のstate of the artを,日本を代表する臨床・研究の第一線の先生方にお願いした.本特集が読者の皆様のてんかん診療の参考になれば幸いである.
目 次
てんかんの定義と分類――最新の知見と今後の展望……佐々木亮太・木下真幸子
てんかん発作症候とその鑑別……神一敬
てんかん診断における検査法Update……宇佐美清英
てんかんの治療:薬物療法Update──Postガイドライン2018……重藤寛史
てんかんの治療:外科治療Update……臼井直敬
高齢者てんかん……溝渕雅広
自己免疫性てんかん……坂本光弘・松本理器
てんかん重積状態……久保田有一・松原崇一郎
TOPICS
【免疫学】
第3の免疫チェックポイント分子LAG-3によるヘルパーT細胞応答の選択的な抑制機構……丸橋拓海・岡崎拓 
【神経精神医学】
最近の飲酒問題への対応──飲酒量低減を治療目標として……瀧村剛 
【循環器内科学】
心臓を守る心筋D-β-hydroxybutyrate dehydrogenase Iとケトン代謝……的場聖明・星野温 
連載
【医学・医療におけるシミュレータの進歩と普及】
27.中心静脈穿刺シミュレータ(ランドマーク・ブラインド法)……山東勤弥 
【健康寿命延伸に寄与する体力医学】
15.中・高年齢者の粘膜免疫・獲得免疫に及ぼす習慣的運動の影響……枝伸彦 
フォーラム
Instagramと医療情報……島岡要・他
【パリから見えるこの世界】
82.エドワード・O・ウィルソン,あるいは生物界における利他主義……矢倉英隆 
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てんかん:診断と治療の現在
270巻7号 2019年8月17日
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