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266巻7号 2018年8月18日
精神疾患と妊娠・授乳
はじめに
AYUMI 精神疾患と妊娠・授乳 はじめに 松島英介
 統合失調症,うつ病や不安障害など,多くの精神疾患の初発年齢は15〜45歳の妊娠可能年齢(childbearing age)に重なるが,かつては精神疾患そのものに関連して,あるいは向精神薬の副作用によって妊孕性が低くなっていた.近年は,精神疾患患者に対するケアの向上や新しい向精神薬の使用によって,これまでより多くの患者が妊娠できる状況になってきている.実際,精神疾患がありながらも結婚し,妊娠,そして出産して,育児をする女性は増えており,むしろ医療と福祉の連携体制の充実がこれからの課題として残されているといえよう.
 こうしたなかで本特集では,まず多くの医療者が向精神薬の妊娠・授乳に対する作用について正しい知識を理解することを第一の目的とした.これについては昨今,向精神薬の適応が本来の精神疾患の治療枠を超えて,さまざまに拡がっているという事情もある.たとえば,抗うつ薬はうつ病・うつ状態だけでなく,不安障害や強迫性障害,ひいては疼痛などにも用いられているし,抗精神病薬も統合失調症だけでなく,双極性障害や,場合によっては抗悪性腫瘍薬による消化器症状に対しても効果が期待され,処方されている.そこで,本特集の前半では,各向精神薬の妊娠・授乳に対する作用を取りあげて,臨床にとって必要な知識を確認し,新しい情報を追加することに主眼をおいた.一方,本特集の後半では,精神疾患をもった妊婦・授乳婦に対してどう対応したらよいかを取りあげ,単に向精神薬の作用だけでなく,精神疾患自体の妊娠や授乳への影響などについても加味して,精神疾患患者への取組みの実際を総合的に解説することを目的とした.
 いずれにしても,精神疾患患者の妊娠・授乳期には,患者である母親の病状の悪化や再燃・再発の危険性と,成長しつつある胎児や乳児への影響の両面に注意し,それぞれの患者の精神状態や周囲のサポート体制などに合わせて治療戦略を工夫する必要がある.こうした基礎知識を十分に会得したうえで,医療と福祉が密に連携して母児が最良の状態を保てるよう取り組んでいくことが望まれよう.
目 次
【妊娠・授乳期と向精神薬】
抗精神病薬の使い方……伊藤賢伸・鈴木利人
抗うつ薬・気分安定薬(リチウム)の使い方……松島英介
抗不安薬・睡眠薬の使い方……志賀浪貴文・安田貴昭
妊娠・授乳期の女性に対するてんかんの薬物療法……宮島美穂
【精神疾患と妊娠・授乳】
統合失調症の妊婦・授乳婦への治療……根本清貴・鈴木利人
うつ病・双極性障害の妊婦・授乳婦への治療……松島英介
産褥期精神病の妊婦・授乳婦への治療……武藤仁志・竹内崇
不安障害・強迫性障害の妊婦・授乳婦への治療……安田貴昭
てんかんの妊婦・授乳婦への治療……加藤昌明
TOPICS
【神経精神医学】
γセクレターゼをターゲットとしたあらたな創薬に寄与する発見──γセクレターゼ阻害剤のパラドキシカルな作用機序……田上真次・他 
【社会医学】
医療者が知っておくべき自殺予防対策に関する最近の話題……河西千秋・他 
【生化学・分子生物学】
Fanconi貧血の新規原因遺伝子RFWD3の同定とその機能解析……高田穣 
連載
【Sustainable Developmentを目指した予防医学】
16.ケミレスタウン・プロジェクト フェーズIII――住宅のイノベーションを目指した取組み……鈴木規道 
【移行期医療──成人に達する/達した患者への医療】
9.小児腎疾患における移行期医療の実際──ネフローゼ症候群と慢性腎炎患者の移行……川崎幸彦 
フォーラム
【Choosing Wiselyキャンペーンとは】
13.医学生・研修医によるChoosing Wiselyのうねり──当たり前を問い直す……荘子万能 
【医療社会学の冒険】
4.悪の心理学実験……美馬達哉 
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精神疾患と妊娠・授乳
266巻7号 2018年8月18日
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