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264巻8号 2018年2月24日
オルガノイド再生医学−ミニ臓器を作る挑戦と応用の可能性
はじめに
AYUMI オルガノイド再生医学――ミニ臓器を作る挑戦と応用の可能性 はじめに 阿久津英憲
  オルガノイドは,特定組織・臓器をモデルとして試験管内で複数細胞種から構成された立体構造体であり組織としての機能も発揮する.
 オルガノイドの作製では,細胞ソースにより大きく2つに分けられる.ひとつは体性幹細胞であり,もうひとつはES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞である.幹細胞研究が発展するなかで,より臓器に近い組織構造や機能を有するオルガノイド研究が世界的に急速に進みつつある.この現在の活発化するオルガノイド研究のパイオニアとなったのは,笹井芳樹や佐藤俊朗らの研究成果であった.
 オルガノイド技術により,機能性を有する立体組織を構築することで実現が困難だと思われてきたヒト臓器疑似モデルが試験管内で可能となってきた.これにより,オルガノイド形成過程は,時空間的に発生上の自己組織化を模倣することからヒト発生学のあらたな研究手段として基礎医学への貢献も大きい.多能性幹細胞によるオルガノイド研究では,中枢神経系の終脳や脳幹領域の立体組織化,腎,肺や小腸など複雑な組織構築も可能となり,基礎から医学・創薬開発への展開へ期待されている.体性幹細胞を用いる大腸上皮オルガノイドでは一足はやく基礎から応用への展開が進み,試験管内で大腸癌が再現でき,治療法の開発に革新的進歩が起こっている.
 本特集では,現在のオルガノイド研究の潮流をその礎の理解のため立体組織構築のメカニズムに触れ,そこから展開が進む脳,腎,肺と小腸に関し,医学応用への可能性も論じながら,各分野の先端研究と方向性を論じていただいた.より応用へ進んでいる大腸オルガノイド領域では,大腸癌研究への展開について執筆いただいた.オルガノイド研究は,機能的な組織を作製することが可能となることでさまざまな応用が期待される一方で,きわめて生体に近い組織を創生しうることから,これまで想定されなかったような倫理的および社会的な課題が存在しうるのかも冷静に検討するため,倫理的課題についても論じていただいた.
 オルガノイド研究が基礎医学および医学・創薬応用でもとてもエキサイティングな分野であり,今後さらに進展していく分野であることの理解を深め,多様性のある持続的な研究開発が進んでいく一助になることを期待したい.
目 次
神経オルガノイドにおける組織自律的なパターニング機構……永樂元次 詳細
細胞の自己組織化能によって形成される大脳皮質オルガノイド……坂口秀哉 詳細
下垂体の立体組織構築……笠井貴敏・須賀英隆 詳細
腎臓の機能的立体化とその医学応用への可能性……田中悦子・西中村隆一 詳細
肺のオルガノイド化とその医学応用への可能性──呼吸器における幹細胞研究の新展開……小西聡史・後藤慎平 詳細
ヒト多能性幹細胞由来“ミニ腸”の作製……菅原亨・阿久津英憲 詳細
オルガノイド技術を活用した大腸癌研究のブレイクスルー……戸ヶ崎和博・佐藤俊朗 詳細
オルガノイド研究の倫理的問題……澤井努・藤田みさお 詳細
TOPICS
【消化器内科学】
自己免疫性肝疾患の最新情報……田中篤 
【脳神経外科学】
整容に配慮した開閉頭の工夫と今後……井川房夫 
【病理学】
組織透明化/3次元観察技術CUBICの臨床病理診断への応用……野島聡・他 
連載
【テレメディシン――遠隔医療の現状と課題】
19.透析患者自己管理支援システムとICT……林亜紀 
【救急医学──現状と課題】
10.救急医療と医療安全──救急部門の医療安全はチームワークで決まる!……遠藤智之・大村拓 
フォーラム
【臨床に役立つ医療人類学】
Vol.1 ニューギニア高地人の身体観……田所聖志 
雑誌特集
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新刊紹介
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オルガノイド再生医学
264巻8号 2018年2月24日
週刊(B5判,70頁)
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