医学のあゆみ
292巻4号
生物学的相分離と計測技術
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年1月
- 注文コード:929204
- 雑誌コード:20474-1/25
内容紹介
・液-液相分離という古めかしい用語に注目が集まっている.細胞内での相分離は「生物学的相分離」ともよばれ,タンパク質やRNAが相分離して形成する液滴は,生体物質を時空間的に制御する場である.
・アルツハイマー病抗体薬の開発はなぜ難航しているのか? 生物学的相分離をもとに,細胞生物学と分子生物学の狭間で起こる現象を紐解くことで,これらの疑問をうまく説明できることも多い.
・高分解能を追求する開発から一歩進んで,柔軟で動的な集合体をそのまま捉える新たな技術が求められる時代となった.本特集では,最先端の計測技術や,医療や創薬における新しいアプローチを解説する.
目次
はじめに(白木賢太郎)
ラマン顕微鏡を用いた相分離液滴のラベルフリー濃度定量(澁谷 蓮・他)
シングルセル質量分析イメージングによる細胞の化学情報の可視化(大塚洋一)
高速AFMを用いた分子集合体マニピュレーション(梅田健一)
microRNAによる遺伝子発現抑制と相分離(李 沛涵・他)
凝集と相分離に基づく相分離工学の幕開け(延山知弘・吉田桃也)
タンパク質液滴からの線維形成の速度論的解析法(福山真央)
核内構造体によるゲノム機能制御─近接ラベリング法を用いて(栗原美寿々)
O-ClickFCを用いた脂質代謝動態の遺伝子スクリーニング(土谷正樹)
TOPICS
細菌学・ウイルス学 レトロウイルスによる胎盤形成:レトロウイルスが持つもうひとつの生き残り戦略(久保嘉直)
社会医学 健康の社会的決定要因と医学(近藤尚己)
連載
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(22)
LAG-3によるself-pMHCII認識を起点とした恒常性維持機構の解明(丸橋拓海)
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(8)
間葉系幹細胞の磁気ターゲティングによる関節軟骨再生治療の開発(亀井直輔・他)
FORUM
戦争と医学・医療(10) 戦争と看護─史実と体験から想起する(川嶋みどり)
次号の特集予告
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