医学のあゆみ
292巻2号
巨大災害に備えるための災害医療 ─発災前の備え,発災直後の体制,発災後中長期的健康課題の解決
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年1月
- 注文コード:929202
- 雑誌コード:20472-1/11
内容紹介
・南海トラフ地震,首都直下地震,千島海溝・日本海溝周辺海溝型地震など,巨大災害の襲来が切迫している.南海トラフ地震を想定した試算では,死者は最大約32万人,経済損失は約220兆円に及ぶ.
・死者数および被災者数を大幅に減らすという防災の大きな目標の達成に,医療の関与は欠かせない.防災における行動変容に公衆衛生学的手法を適応できる可能性があり,また,発災後も中長期にわたり心身の健康が蝕まれつづけることが明らかとなるなど,あらゆるフェーズで医学・公衆衛生学が必要とされている.
・本特集では,防災において保健,医療,福祉が果たすべき役割と課題を明らかにする.
目次
はじめに(栗山進一)
医学・公衆衛生学と災害─全体像と災害関連死の防止(尾島俊之)
防災行動変容を目指したコミュニケーションに関する先進的な取り組み(福島 洋)
保健・医療・福祉を全天候型にする誰一人取り残さない防災の5原則(立木茂雄)
災害のあらゆるフェーズで活躍する保健師(岩本 萌・大森純子)
巨大災害に対するメンタルヘルスの備え─東日本大震災,福島第一原子力発電所事故からの教訓(國井泰人)
大規模災害後の中長期的健康課題とその対策(石黒真美・他)
災害医療における科学的エビデンス構築に向けた世界の取り組みと日本の貢献(茅野龍馬)
災害データバンクと災害医療情報の最前線(藤井 進・野中小百合)
TOPICS
医療行政 国家施策としての「新規萌芽的トピック創生」の涵養(大庭良介・竹安邦夫)
脳神経外科 急性期脳梗塞に対する血栓回収術の適応拡大の可能性(猪奥徹也)
連載
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(20)
無菌的組織損傷による自然免疫活性化とその意義―ショウジョウバエを用いた解析(堀 亜紀・倉石貴透)
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(6)
クローン病に対する瘻孔治療―アロフィセルを中心に(高橋秀和・水島恒和)
FORUM
病院建築への誘い─医療者と病院建築のかかわりを考える 特別編―バルセロナにおける歴史的病院建築の転用(前編)(亀谷佳保里)
戦争と医学・医療(8) 日本医学会と医学医療倫理のあゆみ―日本医学会『未来への提言』によせて(西山勝夫)
次号の特集予告
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