医学のあゆみ
291巻3号
好酸球細胞外トラップと疾患 ─“エフェクター細胞”の新しい視点
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2024年10月
- 注文コード:929103
- 雑誌コード:20473-10/19
内容紹介
・2008年に発見された好酸球細胞外トラップ(EETs).生きた好酸球からのミトコンドリアDNA放出や,強い刺激による非アポトーシス細胞死(EETosis)を伴うトラップ形成など,多様なメカニズムが報告されている.
・EETs・EETosisの研究は,好中球細胞外トラップ(NETs)ほど進んでいないものの,各疾患における役割や臨床的意義の解明に向けて,国内の研究者が大きく貢献している.
・本特集では,EETs・EETosisに関する知見と,各疾患における重要性を第一線の専門家が解説する.この謎多き現象について今後の展望を考える一助となることを期待する.
目次
はじめに(植木重治)
好酸球の細胞死と細胞外トラップ総論(福地峰世)
好酸球細胞外トラップと慢性重症アレルギー性角結膜炎(松田 彰)
好酸球性中耳炎─これまでとこれから(佐藤輝幸・太田伸男)
慢性副鼻腔炎における好酸球の役割(安部友恵・宮部 結)
好酸球性唾液管炎(線維素性唾液管炎)─疾患概念と新たに明らかになった機序,そして今後の展望(丸山彩乃)
好酸球性多発血管炎性肉芽腫症─好酸球細胞外トラップと免疫血栓(橋本哲平)
喘息と好酸球性炎症(上出庸介)
ETosis/EETsの視点から考えるアレルギー性気管支肺アスペルギルス症/真菌症の病態と治療(佐々木 寿・宮田 純)
水疱性類天疱瘡における好酸球特異タンパク質 ガレクチン-10の役割(佐藤貴彦)
TOPICS
薬理学・毒性学 臨床試験におけるプラセボ・ノセボ効果(石原優吾・古郡規雄)
神経内科学 免疫グロブリン製剤の使用量増加の真相を探る(松岡千恵子)
連載
臨床医のための微生物学講座(26)
牛海綿状脳症(BSE)─無視できるリスクまでの道のり(横山 隆)
緩和医療のアップデート(21)
認知機能障害を抱える虚弱高齢者とケアパートナーに対する緩和ケアの実践(樋口雅也)
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(13)
遺伝性炎症性疾患から紐解く自己タンパク過剰蓄積を感知する分子機構の解明─免疫プロテアソーム機能異常によりもたらされる自己炎症性疾患の病態解明に向けて(森本純子・安友康二)
FORUM
書評 『倫理コンサルテーションハンドブック 第2版』(堂囿俊彦・竹下啓編著)(松村由美)
戦争と医学・医療(2) 永年の侵略や戦禍に翻弄されたアフガニスタンの現状と対策(レシャード カレッド)
数理で理解する発がん(16) モランモデル(中林 潤)
次号の特集予告
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