医学のあゆみ
285巻10号
抗体医薬の進歩と課題
6月第1土曜特集
- 総頁数:128頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2023年6月
- 注文コード:928510
- 雑誌コード:20471-6/3
内容紹介
・世界ではすでに100品目を超える抗体医薬品が承認され,適応となる疾患領域はがんや自己免疫疾患にとどまらず,喘息,アトピー性皮膚炎,骨粗鬆症,感染症,眼疾患,神経系疾患などにも広がり,さらなる発展が期待される.
・近年の抗体医薬品開発の特徴として,IgG抗体のみならず抗体薬物複合体(ADC),二重特異性抗体,scFvやVHHなどの低分子抗体のように,構造の多様性が広がっていることがあげられる.
・このようななかで本特集では,抗体の特徴を理解し,今後の開発に求められる課題を共有すべく,「抗体医薬の進歩と課題」として,各領域の第一線で活躍する著者の方々に執筆していただく.
目次
リード抗体取得・エンジニアリング技術
【可変領域】
モノクローナル抗体作製クロニクル─効率的なヒト抗体医薬品シーズの取得を目指して(登内奎介・高橋宜聖)
ヒトADLibシステムおよびADLib KI-AMPによる治療用抗体候補の創出と最適化(瀬尾秀宗・他)
抗原結合親和性向上のための技術(松長 遼・津本浩平)
【IgG型抗体】
抗体のエフェクター活性を担うFcγ受容体(木吉真人・石井明子)
抗体の体内動態制御に関わる受容体FcRnをめぐる話題─FcRnのバイオロジー,FcRn親和性改変抗体の開発動向,関連する研究(鈴木琢雄・石井明子)
抗体薬物複合体(antibody-drug conjugate:ADC)(追立真孝)
t-CAP法を用いたコンジュゲート抗体の開発(伊東祐二)
【非IgGモダリティ】
低分子抗体─VHH,scFv(中木戸 誠・津本浩平)
経口IgA抗体を用いた腸内細菌叢制御による治療薬開発(新藏礼子)
IgA抗体を用いた呼吸器ウイルス感染症治療薬の実現可能性(早川美奈子・鈴木忠樹)
有効性・安全性の予測・評価技術
抗体医薬品の体内動態総論(加藤基浩)
抗体医薬品の創薬研究における生理学的薬物動態(PBPK)モデリングおよびシミュレーションの活用(橘 達彦・原谷健太)
Phosphor integrated dots(PID)技術を用いた抗体医薬の腫瘍組織内ミクロ薬物動態解析の開発(濱田哲暢)
ADC医薬品の研究開発に不可欠な定量および定性分析技術(高草英生)
臨床における最新動向
免疫チェックポイント阻害薬の有効性予測バイオマーカー(熊谷和裕・他)
免疫チェックポイント阻害薬に対する耐性機序とその対策(二宮利文・冨樫庸介)
近赤外光線免疫療法─近赤外光感受性ADCとしての薬剤デザインを中心に(小林久隆)
炎症性腸疾患に用いられる抗体医薬品(秋山慎太郎)
乾癬,アトピー性皮膚炎等の皮膚疾患に用いられる抗体医薬品(大久保ゆかり)
抗体医薬品の血中濃度モニタリング(米澤 淳)
抗体医薬品によるインフュージョンリアクションなどの副作用の特徴とそのマネジメント(下方智也・安藤雄一)
次号の特集予告
サイドメモ
B細胞抗原受容体と抗体の多様性
B細胞の分化や生存,増殖に関わる因子
ホットスポット
エフェクター活性
バイスタンダー抗腫瘍効果(Bystander antitumor effect)
腸管などの粘膜で分泌されるIgA抗体
半減期の延長
2-コンパートメントモデル解析
抗体薬物複合体(ADC)
特定薬剤治療管理料 1
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