医学のあゆみ
292巻10号
概日時計が制御する多面的な生理機構
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2025年3月
- 注文コード:929210
- 雑誌コード:20472-3/8
内容紹介
・概日時計の分子レベルにおける研究はこの50年で大きく進展した.ベニバナインゲンの一日周期の葉柄運動を解析したB?nningの研究を先駆けに,ショウジョウバエを用いて約24時間周期の細胞自律的なリズムを生み出すモデルを提唱したHall,Rosbash,Youngは2017年ノーベル生理学・医学賞を受賞している.
・以降,新しい振動機構も提唱されつつあり,さらには,概日時計が生物の多彩な生理現象をいかに制御しているのか,生体のシステミックな連関機構に関する研究も多く展開されている.
・本特集では,多様な生理現象と概日時計についての最新知見を紹介し,規則正しい生活リズムと健康長寿の関係を考えるヒントに迫る.
目次
はじめに(深田吉孝)
哺乳類の概日時計機構(本間さと)
生体リズムの神経制御(李 若詩・櫻井 武)
睡眠と概日リズム(駒田陽子・志村哲祥)
代謝と概日リズム(羽鳥 恵)
栄養と概日リズム(田原 優)
免疫のリズム(中尾篤人)
概日リズム障害の病因論─体内時計に従わない生活を続けると何が起こるのか?(八木田和弘)
疼痛疾患における概日リズム(小柳 悟)
TOPICS
形成外科学 ネキソブリッド外用ゲルを用いたEnzymatic Debridementが変える熱傷治療(松村 一)
再生医学 ヒトiPS細胞から腎間質前駆細胞を分化誘導する方法の開発と腎臓再生への道のり(辻本 啓・長船健二)
連載
自己指向性免疫学の新展開─生体防御における自己認識の功罪(26)
死細胞クリアランス不全がもたらす炎症慢性化機構の解明(田中 都・菅波孝祥)
細胞を用いた再生医療の現状と今後の展望─臨床への展開(12)
脂肪組織由来多系統前駆細胞の自己移植による歯周組織再生(竹立匡秀)
ケースから学ぶ臨床倫理推論(3)
事前指示 過去の意向をどこまで尊重すべきか(田代志門)
FORUM
戦争と医学・医療(14) 日本軍の遺棄化学兵器─被害者実態調査と医療支援(磯野 理)
次号の特集予告
電子版の購入
以下のウェブサイトで論文単位の購入が可能です.
※リンク先は医歯薬出版株式会社のウェブサイトではありません.利用方法等は各ウェブサイトへお問い合わせください.