血栓・塞栓症の病態・検査・治療
35巻13号 2007年12月20日 p.1344-1350
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はじめに | ![]() |
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線維素溶解(線溶)現象は,プラスミノゲンアクチベータがプラスミノゲンを活性化し,プラスミンを生ずることから始まる.プラスミンはフィブリンだけでなく,フィブリノゲンにも作用し,フィブリン/フィブリノゲン分解産物(fibrin/fibrinogen degradation products, FDP)を形成する.
線溶には,血栓形成を認めない一次線溶(primary fibrinolysis)と,血栓形成を認める二次線溶(secondary fibrinolysis)がある.DIC(播種性血管内凝固)や静脈血栓塞栓症で起こる線溶亢進は,血栓が増大して血管を閉塞しないようにする生体防御反応であり,後者に属する.一次線溶と二次線溶の鑑別は,血栓形成やその準備状態を評価するうえでとくに重要である.線溶系分子マーカーは,線溶亢進を確認する指標として,あるいは血栓症を否定する手段として使われ,診断や治療効果の判定に役立っている.……(雑誌本文は続きます) |
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35巻13号 2007年12月20日
月刊(B5判,192頁) 発行時参考価格 4,200円 注文コード:296030 雑誌コード:08608-12 |
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