122巻6号 2013年5月25日 p.676-684
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脂質異常症UPDATE2013 | ![]() |
低HDLコレステロール
大阪大学大学院医学系研究科
総合地域医療学寄附講座・循環器内科学講座 山下静也 ![]() |
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はじめに | ![]() |
血清高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の低下が冠動脈疾患をはじめとする動脈硬化性疾患の独立した危険因子であることは,数多くの疫学研究で報告されている.また,タンジール病などの遺伝性HDL 欠損症では,重症の冠動脈疾患の合併が高頻度に認められる.一方,コレステロール負荷ウサギにHDL,あるいはその主たる構成アポ蛋白であるアポ蛋白(アポ)A-Iを投与することによって,粥状動脈硬化の発症・進展が抑制されたことから,HDL は動脈硬化の発症・進展を防御する作用を有する善玉のリポ蛋白と考えられる.HDL やアポA-Iが動脈硬化巣等の末梢組織に蓄積した余剰のコレステロールを抜き出し,肝臓へ運んで処理する経路はコレステロール逆転送系(reverse cholesterol transport)とよばれ,動脈硬化防御機構として重要であり,最近その詳細が分子レベルで解明されてきた.低HDL-C 血症はコレステロール逆転送系の異常と考えられるが,低HDL-C 血症のメカニズムに関しては他稿で述べられているので,本稿では低HDL-C 血症の疫学,臨床的意義や治療について紹介する.……(雑誌本文は続きます)
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122巻6号 2013年5月25日
月刊(B5判,228頁) 発行時参考価格 2,700円 注文コード:740820 雑誌コード:09320-05 |
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