医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 最新号
254巻12号 2015年9月19日
プロスタグランジンと炎症
はじめに
AYUMI プロスタグランジンと炎症 はじめに 成宮周
  炎症は本来,生体の防御反応であり,病原体などの刺激によって惹起され,局所での血管反応・細胞反応の結果,当初の炎症刺激が排除され,終息する.しかし,炎症は往々にして慢性化する.その機序として,炎症刺激の持続,抗原による免疫反応,肉牙形成,血管新生,線維化など組織リモデリングなどがある.
 プロスタグランジン(PG)は,その生成がアスピリン様抗炎症解熱鎮痛薬で阻害されることから,急性炎症の症状である発赤,熱感,腫脹,痛み,発熱などの発現に関与するとされてきたが,最近の研究はその機序を分子レベルで明らかにし(杉本の稿),それとともに,PGがそれを越え,炎症の慢性化,免疫炎症への転化,組織リモデリングなどにも深くかかわっていることを明らかにしてきた(青木,姚の稿).ここでは,PGはさまざまなサイトカインやケモカイン,増殖因子と相互作用を行い,遺伝子発現変化を招来して作用を発現する.この働きのなかには血管新生やリンパ管新生もあり,これを介して癌の進展や転移にもかかわっている(馬嶋らの稿).また脳では,PGはこれまで想定されていた病気ストレスに伴う発熱などの症状発現だけでなく,心理ストレスに伴う動物の行動変化にも関与することが明らかになった(古屋敷の稿).さらに,これまでPGの1種トロンボキサン生合成の不活性副産物とみなされていた12-HHTという物質が,創傷治癒効果を示すことも明らかになっている(佐伯らの稿).これらの知見は,急性炎症のメディエーターとしてのみ考えられてきたPGの概念に変革を迫るものである.これらの生理活性を担うPGの多くは,ω-6不飽和脂肪酸であるアラキドン酸に由来するものであるが,一方,ω-3不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)の代謝物が炎症の終息にむけさまざまな働きをなしていることが明らかになり,その研究は急速な展開をみせている(有田の稿).本特集では,これらの研究を概観して,PGをはじめとする生理活性脂肪酸代謝物を軸に,炎症の過程を俯瞰する.
目 次
急性炎症にかかわるプロスタグランジンとその働き……杉本幸彦 詳細
プロスタグランジンと炎症慢性化……青木友浩 詳細
プロスタグランジンと免疫炎症――サイトカイン増幅因子としての働き……姚成燦 詳細
プロスタグランジンによるリンパ管新生とリンパ組織可塑性の制御……馬嶋正隆・細野加奈子 詳細
ストレスによる情動制御におけるPGE2-EP1系の役割……古屋敷智之 詳細
12-HHT――皮膚創傷治癒に働く新しいCOX代謝物……佐伯和子・他 詳細
多価不飽和脂肪酸の代謝と炎症の制御……有田誠 詳細
TOPICS
【糖尿病・内分泌代謝学】
ACTH非依存性Cushing症候群における分子病態……佐藤悠佑 
【一般外科学】
乳癌におけるアンドロゲン作用──あらたな治療対象の可能性……鈴木貴・高木清司 
【公衆衛生】
わが国に求められている喫煙・受動喫煙対策……大和浩 
連載
【補完代替医療とエビデンス】
13.ランダム化並行群間比較試験報告のためのガイドライン――とくに薬剤以外を対象とする場合の考え方……上岡洋晴・津谷喜一郎 
250巻から70周年をつなぐ連載
20.神経原線維変化構成成分の同定……井原康夫 
フォーラム
【生物学的人口学の最近のトピック】
3.長寿化と死亡率……石井太 
医学史
【近代医学を築いた人々】
44.ビタミンの発見(1) 高木兼寛と脚気……安室芳樹 
プロスタグランジンと炎症
254巻12号 2015年9月19日
週刊(B5判,70頁)
発行時参考価格 1,100円
注文コード:925412
雑誌コード:20473-9/19
ダウンロード購入
『医学のあゆみ』は発行から1年後に論文単位で全文検索可能なPDFファイルのダウンロード購入ができます.
詳細はPierOnline
Pier Online
当社発行の雑誌は発行から1年後に論文単位でPDFファイルのダウンロード購入が可能です.
詳細はメディカルオンライン
メディカルオンライン
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2020 Ishiyaku Pub,Inc.