やさしさと健康の新世紀を開く 医歯薬出版株式会社

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医学のあゆみ
277巻3号
冬眠研究の最前線 −人工冬眠への挑戦

発行時参考価格 1,400円
  • 総頁数:70頁
  • 判型:B5判
  • 発行年月:2021年4月
  • 注文コード:927703
  • 雑誌コード:20473-4/17

内容紹介

・冬眠する動物は多岐にわたることから,特定の動物種が獲得した特殊な能力ではなく哺乳類に広く存在する機能であり,また通常の体温調節機能の可逆的な変容によってもたらされるものである可能性が高い.
・実際に近年,冬眠しないマウスなどの哺乳類においても,神経系の操作により冬眠に似た低体温状態を誘導できることが明らかになり,中枢制御による人工冬眠の実現にも光明がさしはじめた.
・将来の人工冬眠の実現を視野に入れたさらなる研究展開が期待されるところであるが,中枢性の制御機構にくわえ,末梢臓器の低温耐性機構の理解も含めた,体温調節機構とその拡張モードとしての冬眠の理解が求められる.

目次

特集 冬眠研究の最前線−人工冬眠への挑戦
 はじめに 櫻井 武
 人工冬眠技術の未来と臨床応用 砂川玄志郎
 哺乳類冬眠の現象論 山口良文・大塚玲桜
 哺乳類屈指の低酸素・高二酸化炭素耐性動物−ハダカデバネズミ 岡 香織・三浦恭子
 匂い物質による恐怖反応に伴う体温低下の神経メカニズム 櫻井勝康
 冬眠様の低体温・低代謝状態QIH 櫻井 武
 トーパーの神経メカニズム 山口裕嗣

連載
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 Nematode-NOSE:線虫の嗅覚によるがんの一次スクリーニング検査 羽立 薫・広津崇亮

TOPICS
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 社会医学 順天堂大学オープンイノベーションプログラム“GAUDI”−医療・ヘルスケア領域における社会実装追求型オープンイノベーション 飛田護邦・他
 医療行政 EU離脱と英国医療−「合意」成立を受けて 松田亮三

速報
 大阪市内の熱中症死亡に対する気象・居住環境の影響 片岡真弓・他

 次号の特集予告