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276巻3号 2021年1月16日
法医学の新たな展開
はじめに
AYUMI 法医学の新たな展開 はじめに 岩瀬博太郎
  2007年に発生した時津風部屋力士暴行死事件を契機として,日本における死因究明制度の不備が指摘されるようになり,政府として死因究明制度について議論されるようになった.その後,警察庁と内閣府で検討が進み,2012年の死因究明等推進法(2年間の時限立法)および死因・身元調査法の制定,2014年の死因究明等推進計画の閣議決定を経て,2020年4月1日に死因究明等推進基本法が施行され,厚生労働省において死因究明等推進本部と検討会が設置され,今後の日本の死因究明を推進することとされている.
 しかし,これまでの間,警察における検視官の増員と検視官による臨場率の向上がはかられたものの,重点施策のひとつであり,しかも死因究明制度改革の本丸といえる法医学の専門機関の整備については,縦割り行政のなかで具体的にどのようなものをめざすべきなのか混沌としたままで議論が進んでいない.一方で,一連の制度改革のなかで,千葉大学は文部科学省から助成金を受け,法医学教育研究センターを設置するに至り,法病理学,法中毒学,法医画像診断学,臨床法医学,法歯科学,法遺伝学など,さまざまな分野を担う若手研究者が多く所属するようになっている.
 本特集は,主にそうした千葉大学に所属する30〜40代の比較的若手といえる研究者を中心に,日本の法医学の現状や課題を執筆してもらい,次世代における議論を喚起できればと考え編纂したものである.本特集が,法医学に従事する者だけではなく,警察嘱託医を含めた一般臨床医,薬剤師,看護師などの医療関係者,法曹関係者,行政担当者,メディア関係者,一般の国民の方々においても,法医学および日本の死因究明制度や法医学の実情を知っていただく契機となり,そうした方々からも声を出していただき,日本の死因究明制度と法医学を取り巻く環境が,縦割り行政を超えて整備されることを願ってやまない.
目 次
死因究明における法医学の新たな展開――諸外国の制度と比較して……石原憲治
生きた人を診る法医学――臨床法医学……猪口剛齋藤直樹
子どもの死をいかに防ぐか――チャイルドデスレビュー(CDR)における法医学の役割……千葉文子・仙田昌義
死後画像も生体の画像も――法医画像診断学の役割……槇野陽介吉田真衣子
大地震・津波の教訓を生かす――災害法医学の課題……本村あゆみ・齋藤久子
法医学における薬物検査のあり方――裁判化学講座の復興をめざして……岩瀬博太郎・他
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は何を問うたか――感染症と法医学……山口るつ子
死者の情報をいかに社会に還元するか――異状死体データベース……岩瀬博太郎
TOPICS
【神経精神医学】
ヒューマノイドロボットを用いた自閉スペクトラム症治療の可能性……熊ア博一 
【腎臓内科学】
便秘薬による腎臓病の進行抑制と心血管疾患予防の可能性……菊地晃一・阿部高明 
【細菌学・ウイルス学】
気道上皮組織でインフルエンザ感染を感知する病原体センサーMxAの発見……川口敦史 
連載
【臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学】
17.自己免疫疾患発症機構に迫るMHCクラスII分子の新たな機能――自己抗体の標的分子としてのミスフォールドタンパク質/HLAクラスII複合体……森俊輔・荒瀬尚 
【バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用】
13.微視的ヘテロ力学場を用いた治療効果増強幹細胞の培養技術……木戸秋悟 
フォーラム
【天才の精神分析――病跡学(パトグラフィ)への誘い】
11.夏目漱石IV――過去への囚われ……高橋正雄 
書評
書評『遺伝/ゲノム看護』(有森直子・溝口満子 編著/井ノ上逸朗 医学監修)……山崎悟 
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法医学の新たな展開
276巻3号 2021年1月16日
週刊(B5判,70頁)
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