医学のあゆみ
274巻12号
多様な疾患の原因となるDNA損傷応答不全
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年9月
- 注文コード:927412
- 雑誌コード:20473-9/19
内容紹介
・損傷を受けたDNAは損傷の種類に応じた多様な仕組みにより適切に修復されなければならない.これらの仕組みに異常が生じると,がんや発生異常などのさまざまな疾患の原因となる.
・DNA損傷応答機構の研究の歴史は非常に古く,1960年代の後半には大腸菌においてDNAの組換えに必要な遺伝子が同定されている.その後もさまざまな種類のDNA損傷に対応する修復機構が同定されている.
・今後,DNA損傷応答機構への理解がさらに深まることで,がんや老化をはじめとするDNA不安定症に対する新たな予防・治療薬の開発につながるものと期待できる.
目次
はじめに 中西 真
がん治療に伴うDNA損傷修復とシグナル伝達−DNA二本鎖切断の修復機構から免疫応答まで 柴田淳史
DNA二重鎖切断修復とゲノム安定性 宮川 清
眠りから覚めたSchlafen 11(SLFN11)−DNA障害型抗がん剤の真の効果予測バイオマーカーとなるか? 高橋佑歌・村井純子
ヌクレオチド除去修復の進行に必要とされるヒストン翻訳後修飾酵素の役割 丹伊田浩行
ファンコニ貧血の原因遺伝子群とクロスリンク修復経路−最近の研究展開 望月綾子・高田 穣
マイクロRNA生合成因子DGCR8は転写と共役したヌクレオチド除去修復を制御する−DGCR8-mediated UV response pathway 谷口俊恭
BRCA遺伝子変異による臓器特異的な発がん 郷田敦史・他
DNA損傷応答による細胞老化と加齢性疾患 鈴木成実・城村由和
連載
再生医療はどこまで進んだか(13)
iPS細胞を用いた角膜疾患に対する再生医療 相馬剛至・西田幸二
臨床医が知っておくべき最新の基礎免疫学(6)
PathogenicヘルパーT細胞と組織炎症 廣田圭司
バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用(2)
生物に学ぶ防汚材料(1):ナメクジの粘液分泌に学んだ撥液・難付着材料−Self-Lubricating Gels(SLUG) 穂積 篤
TOPICS
社会医学 生活道路の速度制限で交通弱者が守られる 市川政雄
臨床検査医学 多発性骨髄腫治療薬「ダラツムマブ」使用時の効果判定検査の注意点 山田俊幸
神経内科学 アルツハイマー病の発症機序におけるTREM2の関与 竹本亮太・他
FORUM
天才の精神分析−病跡学(パトグラフィ)への誘い(1) はじめに 山田和夫
特別寄稿:新型コロナウイルス感染症におけるIgGFc-binding proteinの役割(仮説) 小林研介・堤 寛
世界で最も豊かな国の最貧困エリアとCOVID-19−米国ニューメキシコ大学病院からの報告 乗井達守
次号の特集予告
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