医歯薬出版のページサイトマップ
医学のあゆみTOP最新号通常号第1土曜特集号第5土曜特集号バックナンバー年間定期購読
ホーム雑誌一覧医学のあゆみ > 通常号
263巻2号 2017年10月14日
ポドサイト障害−腎障害における新たな視点
はじめに――ポドサイト障害:生体反応という視点
AYUMI ポドサイト障害――腎障害における新たな視点 はじめに――ポドサイト障害:生体反応という視点 長田道夫
  腎の最大の機能である体液の恒常性維持は,糸球体濾過障壁での血液濾過からはじまる.ポドサイトは,濾過障壁を形成するおもな細胞であるが,同時に腎疾患の発症や進展にかかわる重要な細胞でもある.ポドサイト研究は,1990 年代以降に急激に進んだ.その基盤は,糸球体過剰濾過や高血圧,糖尿病などの多様な腎疾患モデルの進展過程においてポドサイト障害が共通にみられたことと,遺伝子改変技術により,ポドサイト分子異常と腎障害の因果関係が確立されたことによる.ポドサイト障害は,蛋白尿や糸球体硬化という腎病学の主題に密接に関連するために,最近の腎研究の先端にある.
 ポドサイト障害の研究にはいくつかの異なった,しかし連続する視点がある.@障害を与える外的因子,A障害に対する細胞内応答機構,B障害が糸球体という微小環境に与える影響,C糸球体硬化進展へのかかわり,などである.これまでの研究の中心は,ポドサイト内でのスリット膜やアクチンを調節する分子の同定と,ポドサイト特異的にその分子異常を起こし,細胞障害に置き換えるという方法論である.一方で,このポドサイト分子異常による蛋白尿は,その分子が濾過障壁の恒常性に重要であることを示してはいても,ポドサイト障害そのものを示しているわけではなく,外的刺激を想定して細胞障害が起こった場合にみられる蛋白の発現低下などの付随現象から議論をはじめるという問題がある.今後のポドサイト研究の重要な方向性はポドサイトを標的とした治療の開発であるが,現在行われているような,ポドサイトが障害されたときに発現・亢進する分子を操作することで解決できるほど容易ではなく,障害刺激に対するポドサイトの応答に加えて,生体のもつ複雑系がポドサイト障害によってどのように反応するのかという包括的な視点が必要であろう.
 本特集では,ポドサイト障害の次の視点のひとつである障害に対するポドサイトと糸球体の応答機構について,最近の動向を概説する.
目 次
ポドサイトのエピゲノム調節機構と病態における役割……林香 詳細
ポドサイト障害における内因性レジスタンス──ストレス適応応答による細胞保護とその破綻……石本遊・稲城玲子 詳細
ミトコンドリア機能異常とポドサイト障害――そして見えはじめた治療戦術……今澤俊之 詳細
ポドサイトにおけるオートファジーの役割……吉林護・久米真司 詳細
障害ポドサイトの保護――ナトリウム利尿ペプチドの新しい機能……横井秀基 詳細
ポドサイト数と糸球体疾患……岡部匡裕・松阪泰二 詳細
APOL1腎症とポドサイト障害……眞部俊 詳細
ポドサイト障害糸球体リモデリング……長田道夫 詳細
TOPICS
【再生医学】
加齢黄斑変性に対するiPS細胞治療の臨床研究……栗本康夫 
【細菌学・ウイルス学】
公的データベースとバイオインフォマティクスを基盤としたウイルス感染症の理解……佐藤佳 
【消化器内科学】
潰瘍性大腸炎に対する便移植療法……石川大 
連載
【臓器移植の現状と課題】
12.異種移植への期待:臨床試験に向けての課題と最近の動向……小林孝彰 
【テレメディシン――遠隔医療の現状と課題】
6.モバイルヘルスを用いた疾患治療のエビデンスと今後の展望……佐竹晃太 
フォーラム
【生殖倫理の現況と展望】
4.子宮移植の臨床応用に向けて:課題と展望……的場優介・他 
【パリから見えるこの世界】
61.マルセル・コンシュ,あるいは哲学者の生活……矢倉英隆 
週刊「医学のあゆみ」のご注文
ポドサイト障害
263巻2号 2017年10月14日
週刊(B5判,70頁)
定価 1,404円(本体 1,300円+税8%)
注文コード:926302
雑誌コード:20472-10/14
買い物カゴへ追加
買い物カゴを見る
お問い合わせ 会社案内 About us リンクについて オンラインショップの返品について
当サイトはリンクフリーです。ご自由にリンクしてください.
Copyright (C) 2019 Ishiyaku Pub,Inc.