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255巻8号 2015年11月21日
肺移植の現状と課題
はじめに
AYUMI 肺移植の現状と課題 はじめに 中島淳
  肺移植は,進行性難治性の肺疾患に対する究極的な治療法として位置づけられている.肺移植後レシピエント長期生存報告から30年あまり,国内では1998年に生体肺移植第1例目が行われてから17年が経過した.2010年に臓器移植法が改正され,ご家族の承諾があれば本人の意思が不明でも臓器提供が可能となった.その後,脳死肺移植数はある程度増加し,現在年間60例程度の肺移植が施行されているが,諸外国と比較すると非常に少ない.結果として,2014年までの累計では脳死肺移植238例(片肺127例,両肺111例)に対して生体肺移植165例と,生体肺移植の割合が高く,脳死肺移植が必要な患者の需要は満たされていない.より重症度が高く,病状進行の速い肺移植適応疾患患者が肺移植までの待機中に亡くなることが多い.  国民が納得できるよう倫理的問題を遵守したうえで,脳死ドナーからの臓器提供数を増加させ,またマージナルドナー肺の積極的な利用をはかること,さらに心臓死ドナーから提供された肺に関する研究を進めることが,今後の肺移植医療を推進するためには重要である.脳死に至るまでに肺水腫や肺炎などドナー肺の機能を悪化させる要因が加わっていることが多いが,近年はドナー肺の機能回復をはかるため,ドナー管理体制や移植肺の生体外における治療の研究が進められている.  心臓や肝など他の臓器移植と比較すると,肺移植後のレシピエントの生命予後は不良である.短期的には移植肺の機能不全や感染症,長期的には慢性拒絶が生命予後に大きくかかわってくる.肺は外界に開かれており,感染症をきたしやすく,また免疫原性の高い臓器であるため急性拒絶を起こしやすい.慢性拒絶は感染・急性拒絶の反復が発症に関与しているが,病態・機序についてはいまだに不明な部分も多く,今後の研究発展が期待される.  本特集では,肺移植実施施設で診療されている専門家にご執筆をお願いした.肺移植治療の現状と,とくにわが国における問題点を明らかにし,今後の展望について語っていただく.
目 次
世界とわが国のレジストリーレポートからみた肺移植の現状……岡田克典 詳細
肺移植レシピエント登録の現状と問題点……千田雅之 詳細
肺移植におけるメディカルコンサルタント制度……井上匡美 詳細
DCD肺移植および新しい肺保存法……大谷真二・他 詳細
生体肺移植の新しい術式……伊達洋至 詳細
肺移植の術後管理・周術期合併症……白石武史・岩ア昭憲 詳細
急性・慢性拒絶反応の診断……鈴木秀海・吉野一郎 詳細
肺移植後の免疫抑制と感染症対策……宮ア拓郎・永安武 詳細
肺移植後の長期成績……安樂真樹・中島淳 詳細
TOPICS
【再生医学】
脊髄損傷に対する再生医療……岩月幸一 
【腎臓内科学】
M2型マクロファージの自己免疫疾患への関与……坪井直毅 
【臨床検査医学】
血管新生とVEGF-Aパラドックス──抗血管新生因子VEGF-A165bの可能性……菊地良介 
連載
【補完代替医療とエビデンス】
19.補完代替医療のシステマティックレビューとRCT――Cochrane.orgとPubMedの利用方法も含めて……唐文涛・津谷喜一郎 
フォーラム
【生物学的人口学の最近のトピック】
5.やせ過ぎと低妊孕力……中澤港 
医学史
【近代医学を築いた人々】
46.ビタミンの発見(3) セント=ジョルジとビタミンC……安室芳樹 
フォーラム
ノーベル化学賞2015 DNA損傷修復の概念提起からメカニズム解明へ――Tomas LindahlとPaul ModrichとAziz Sancar……廣田耕志・武田俊一
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肺移植の現状と課題
255巻8号 2015年11月21日
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