医学のあゆみ
273巻13号
肝細胞癌治療のパラダイムシフト −分子標的薬,免疫チェックポイント阻害薬の登場を受けて
- 総頁数:70頁
- 判型:B5判
- 発行年月:2020年6月
- 注文コード:927313
- 雑誌コード:20474-6/27
内容紹介
・日本の肝細胞癌治療成績は,国単位では世界で最も優れている.サーベイランスは整備されており,また切除,局所治療,肝動脈化学塞栓療法(TACE)などの治療成績向上への取り組みが積極的に行われてきた.
・世界に先がけて日本で“TACE不応の概念”が提唱されたことは画期的である.TACE不応時点で分子標的薬に切り替えるほうが生存延長効果が得られることが明確に示され,ほぼグローバルコンセンサスとなっている.
・現在,肝細胞癌のすべてのステージで免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験が進行中である.これらがもし成功すると本当の意味でのパラダイムチェンジが起こり,日本の肝癌治療の成績はさらに向上するであろう.
目次
はじめに 工藤正俊
進行肝細胞癌に対する一次治療薬−どの薬剤をまず選択するか 森口理久・他
進行肝細胞癌に対する二次治療薬−どのような治療シークエンスを選択するか? 山下竜也・他
TACE不適の概念と中等度進行肝細胞癌の治療戦略のパラダイムシフト 上嶋一臣
奏効性の高い薬剤の登場により中等度進行肝細胞癌の治療戦略はどう変わるか−IVR医の立場から 宮山士朗
PD-1/PD-L1抗体と抗VEGF抗体の組み合わせ治療のscientific rationale 工藤正俊
アテゾリズマブとベバシズマブの併用療法の肝細胞癌治療に与えるインパクト 大鶴 徹・池田公史
現在進行中の免疫チェックポイント阻害薬の臨床試験 小笠原定久・他
連載
老化研究の進歩(14)
抗加齢ドック 山田千積・他
再生医療はどこまで進んだか(6)
マイクロ生体機能模倣システム(MPS)を用いた創薬研究の現状と展望 横川隆司
TOPICS
神経精神医学 頭部外傷後による脳内病変を可視化するタウイメージング−慢性外傷性脳症(CTE)の早期診断に向けて 高畑圭輔
遺伝・ゲノム学 ゲノムワイド解析による尿管結石のリスク因子の同定 松田浩一・谷川千津
消化器内科学 ミトコンドリア品質管理機構と肝臓病 日野啓輔
FORUM
日本型セルフケアへのあゆみ(6) 新型コロナウイルス感染症:(2)抗体検査 児玉龍彦・他
今月の雑誌特集
今月の新刊紹介
次号の特集予告
電子版の購入
以下のウェブサイトで論文単位の購入が可能です.
※リンク先は医歯薬出版株式会社のウェブサイトではありません.利用方法等は各ウェブサイトへお問い合わせください.