
アカデミア主導の臨床開発の環境の整備が日本でもはじまった.東大病院をはじめ大学病院を中心に,多施設共同試験のコーディネーティングセンター機能を有した拠点が整備されてきており,それら拠点のネットワークも形成されつつある.一方,研究者の育成や疾患別ネットワークの形成はまだ十分とはいえず,神経変性領域では筋ジストロフィーネットワークやAlzheimer病の縦断研究(J-ADNI)のネットワークなど,まだ限られている.今後,ネットワークを中心に疾患の自然歴の調査とともにその解明を行い,バイオマーカーや各疾患に適した臨床評価指標を開発し,新薬の臨床評価を行う基盤とすることが期待される.

トランスレーショナルリサーチ(TR),臨床開発,医師主導の治験,ネットワーク,コーディネーティングセンター